那須烏山市の防災集団移転 対象エリアの「宮原地区」で小規模相談会

 2019年10月の東日本台風で110世帯余りの住宅が浸水し、高台などへの防災集団移転を検討している那須烏山市で10日、2つある対象地区のうち宮原地区で相談会が開かれ、移転の候補地が示されました。

 東日本台風で40世帯が浸水被害にあった宮原地区の相談会は、水が溢れた那珂川の上流地区と下流地区に分けて行われ、合わせて23世帯が出席しました。

 相談会はいずれも冒頭のみ公開され、川俣純子市長が「一人一人が納得して移転先を見つけてもらいたい」と挨拶しました。

 その後、宮原地区では、同じ地区内で土地が高くなっている民有地が移転先の候補として示されました。

 しかし、この場所は浸水被害があった40世帯すべてが移転できる広さにないことから、市は、安全な場所にある空き家に移ってもらう案や、地区外も含めた別の候補地も検討しています。

 また、洪水ハザードマップで0から50センチ、水に浸かる可能性がある範囲に入っていて、相談会に参加した住民からは、「対策をしっかりしてほしい」や「移転する場合の補償金を具体的に示してほしい」などといった意見が出たということです。

 これで移転を検討する宮原地区と下境地区の両方で、1カ所目の移転先の候補が示されたことになり、市は、7月中にも初めて大まかな補償額を提示するとしています。

 そして、年内にも、移転先となる団地の造成計画を国に提出する予定で、10月頃に住民へ説明することを目指しています。

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