高校野球指導し40年 日本高野連 伊藤修監督(上総)に育成功労賞 自主性や考え尊重 教え子の活躍「楽しみ」

 上越総合技術高野球部監督の伊藤修さん(62)が本年度の日本高校野球連盟「育成功労賞」表彰者に選ばれた。「長くやらせていただいた結果」と感謝の言葉を述べている。
 育成功労賞は野球部の指導や育成に貢献した監督や責任教師(部長)を表彰するもので、各都道府県連盟からの推薦を基に20年前から行われている。

「絶対に戻れないと思っていた」という母校での指導。3年目となり、充実した思いで後輩たちを教えている伊藤監督(右)

 伊藤さんは旧高田工(現上越総合技術)で内野手としてプレーし、日本体育大を経て、高校の保健体育の教師として採用され、1983(昭和58)年4月に中条で野球部監督に就任。以来新潟で13年間をはじめ、高田北城、新井、糸魚川の各校に赴任し、現在は再任用として母校を指導している。
 最高成績は新潟での1994(平成6)年春季大会の準優勝。夏は糸魚川で2019(令和元)年のベスト4。糸魚川の最後の秋季大会などを除きこの間、空くことなく監督を務めて40年。「ずっとやらせていただき、本当に恵まれている。この年になってもワクワク、ドキドキできることはありがたい」と感謝する。
 練習に出ることは毎日欠かさず、生徒といる時間を長くする。「年齢がかさむにつれ楽をしたくなるが、一度外れると戻れなくなる」と自らに言い聞かせる。「あまりぎちぎちやらない」と選手の自主性や考えを尊重し、「そこまで言わなくても分かる生徒が多い。選手に恵まれている」と話す。「あいさつや礼儀を大事に、野球を通して人間的に成長し、社会に出て通じる人に育ってほしい」と思いを込める。
 今では50代後半から教え子がいて、各界で活躍している。「卒業生の活躍を見たり、卒業してから会ったりするとうれしい」と笑みを浮かべ、活躍を楽しみにしている。
 夏の新潟大会準決勝の日に表彰される予定。

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