「完全にバカにされていた」OBクラウチ、約4カ月間ノーゴールだったリバプール移籍直後の心境を明かす「我慢してくれるクラブなんて他にない」

[写真:Getty Images]

元イングランド代表FWピーター・クラウチ氏が、2005年当時のリバプール移籍を振り返った。イギリス『ミラー』が伝えている。

身長201cmを誇る超大型ストライカーとして、長きに渡りプレミアリーグで活躍したクラウチ氏。トッテナムユース出身でありながらファーストチームでの活躍は叶わず、若い頃はQPRやポーツマス、アストン・ビラ、サウサンプトンなどを渡り歩き、2005年夏にチャンピオンズリーグ(CL)を制したばかりのリバプールへと移籍している。

しかし、クラウチ氏はリバプールに移籍後、約4カ月間ゴールを奪うことができなかった。『Amazon Prime』で自らのドキュメンタリーが配信されるのに際してインタビューに応じ、当時の心境を明かしている。非難を浴びる中で、リバプールファンの支えが頼りになっていたようだ。

「人生で最悪のプロとしての体験だった。史上最高の決勝戦の1つである2005年のイスタンブールでの(チャンピオンズリーグの)戦いを見た後、リバプールと契約した。そして、良いスタートを切る必要があると思っていた。だけど、実際にはそうはいかなくて、長い間ゴールを決められなかった。リバプールの街の外では、自分が完全にバカにされているような気がしたんだ」

「チャンピオンズリーグで優勝した直後に、あのようにゴールを決められない選手と契約して、我慢してくれるクラブなんて他にはないだろう。私もチームの一員のようだったし、他のすべてには影響があった。人々は笑ったり、からかったりした… リバプールにはまるで包み込むようなメンタリティがあって、その一員になれたことを特別に感じたよ」

「(リバプールの)街の中では愛を感じた。街の外ではバカにされ、父と母は新聞を買わなくなり、私はテレビも見なくなった。プロとしては大変だったけど、それを乗り越えて得たものは大きかったし、自身の力になった」

「私がそれまで在籍していたQPR、サウサンプトン、ポーツマス、そしてアストン・ビラにも敬意を払っているけど、チャンピオンズリーグで優勝した直後のリバプールに行くと、とにかく注目されるんだ」

「地元紙や地元ファンの関心から、世界的な関心へと変わった。イギリスにおいては地元紙だけでなく、新聞各紙の裏面にも載っていた。どの試合も特別で、僕は新たなスターストライカーだった。(チームメイトだった)ジェイミー・キャラガーは、(アンドリー・)シェフチェンコや(サミュエル・)エトーなど、こういった選手を選ぶこともできたはずだと言っていた」

「前触れもなしに、結局私が選ばれたけど、得点できなかった。ハードだったし、リバプール以外のどこのチームでも、そんなことは許されなかったと思う。でも、彼らは許してくれたし、そのことに毎日感謝しているよ」

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