三ツ沢新球技場の建設・寄贈 横浜FCの親会社が提案撤回 市との協議まとまらず

三ツ沢公園=横浜市神奈川区

 横浜市による三ツ沢公園(同市神奈川区)の再整備構想を巡り、サッカーJ1横浜FCの親会社が、敷地内に新たな球技場を建設した上で市に寄贈するという提案を撤回していたことが22日、関係者への取材で分かった。市との協議がまとまらなかったという。横浜FCが本拠とする既存の球技場は老朽化などの課題があり、市は新設の必要性を示しているが、具体的な道筋は見えていない。

 同公園の再整備を巡っては、築60年近い「ニッパツ三ツ沢球技場」(1万5454人収容)が老朽化し、Jリーグのスタジアム基準を満たしていないことなどを背景に、市が数年前に検討を開始。昨年6月に既存の球技場を残したまま新球技場を造り、公園全体を再整備する方針を公表していた。

 同10月には同球技場を本拠とする横浜FCの親会社「ONODERA GROUP」(オノデラグループ、東京都)が、Jリーグのスタジアム基準を満たす2万人規模の新たな球技場の建設と寄贈を提案した。

 同社は主な条件として、▽自社または子会社が60年間管理運営する▽期間中の使用料・賃貸料は無償▽施設名は「ONODERAスタジアム」とする─を打診。プロスポーツだけでなく、市民も利用可能な「横浜の新たなランドマーク」にすると掲げ、具体的な計画や事業費、スケジュールなどについては、市と協議して検討する意向を示した。しかし折り合いが付かず、半年余りを経て断念に至ったとみられる。

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