神奈川県警受理のDV相談件数 21年連続で過去最多更新 県警本部長「軽微なようにみえて重大事件発展の恐れ」

神奈川県警

 2022年に神奈川県警が受理した配偶者などパートナーからの暴力(DV)の相談件数が8933件で、21年連続で最多を更新したことが分かった。被害者は女性が66%を占めたが、男性からの相談も年々増加し、前年から390件増えた。23年も5月までに3985件(前年同期比12.3%増)で、最多を更新するペースとなっている。

 県警の直江利克本部長は「相談しやすくなっている現状がある。軽微な事案のようにみえて、重大な事件に発展する恐れがあることが特徴」としている。

 県警人身安全対策課によると、「旦那に暴力を振るわれた」などの110番通報から相談に至るケースが増えているという。県のDV相談の窓口も整備されており、同課の担当者は「通報をためらっていた社会情勢の変化、行政機関が細かく対応することが徹底されてきている」と説明した。

 22年の配偶者暴力事案の検挙は前年比7.1%減の158件で、うち傷害が84件、暴行が39件、殺人未遂が9件あった。

 また、ストーカー事案の相談では、22年は894件で5.2%減った。受理した相談の内訳は面会や交際の要求が大半を占め、乱暴な言動、連続電話・メールなどもあった。

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