福島県で市民ら「海洋放出しないで」訴え

 政府は東京電力福島第一原発事故で日々増え続ける放射性物質に汚染された水のALPS処理水を今夏に海洋放出する方針を変えていないが、17日、福島県いわき市で市民らが「汚染水を海に流すな!」と横断幕を掲げパレードして海洋放出しないよう訴えた。

 「これ以上海を汚すな!市民会議」の人らも約200人が参加した。「これ以上海を汚すな!市民会議」はALPS処理水にはトリチウムだけでなく『炭素14』も除去されず残る。炭素14の影響を伏せているなど政府、東電は市民に十分な説明をしていない。漁業者はじめ多くの市民から反対の声があがっているなどをあげ、放出しないよう訴えている。

 海洋放出を巡っては国際環境NGOグリーンピースが「ALPS処理でも『炭素14』と『トリチウム』は取り除けない。炭素14の半減期は5730年で、炭素14は人間の細胞DNAを損傷する可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 そのうえで「欧米で運用されているより高精度な多核種除去設備で限界まで放射性物質を取り除いた汚染水を、現行のタンクよりも堅牢で大型のタンクに移し、さらに高度な除去技術を開発するのが今の段階での最善の解決策」と提唱している。

 ネット上では「処理水が本当に安全なら、東電、電力会社等で使う水に『リサイクル再利用』すれば海洋投棄は無くなり、八方良しで丸く収まります」「これ以上福島に迷惑をかけるべきではない。汚染水は東京湾大阪湾に流すべきだ」との声も。(編集担当:森高龍二)

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