「気温より低い…」猛暑にお寒い内閣支持率 全国行脚に子育て国民運動も「やっている感限界」

岸田文雄首相(資料写真)

 主要全国3紙と2通信社の調査による7月の岸田文雄内閣の支持率が24日までに出そろった。軒並み3割台に落ち込み、毎日新聞の調査では2割台に突入。「国民の声を聞く」と始めた全国行脚も奏功する気配はなさそうで、マイナンバーカードを巡るトラブルが足を引っ張る。週明けの国会では、衆院解散のムードは遠のくばかりだ。

 猛暑の中、永田町の与党関係者からは「日々の気温より低い。お寒い数字のオンパレード」(自民の閣僚経験者)と自嘲気味の論評も聞かれた。毎日は28%(前月比5ポイント減)で3割を切り、読売は35%(同6ポイント減)で岸田内閣発足(2021年10月)以来の最低水準という。三大全国紙のもう一紙の朝日は37%(同5ポイント減)、通信社は共同が34%(同6ポイント減)、時事は30%(同4ポイント減)となっている。

 政府が深刻に受け止めるのは、官邸の世論トレンド調査も「下り坂の一方通行」(官邸関係者)だから。21日から栃木を皮切りに始めた全国行脚も、こども家庭庁の22日からの「子育て国民運動」も世間には響いていないようだ。

 自民党幹部は「SNS上のコメントも『聞くだけじゃなく仕事をしろ』一色。国民運動も総花的で『子どもの命を守る』とか目的が絞れていない」と嘆く。「やっている感を出して世論の理解を得るのも限界だ」と付言した。

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