【MLB】かつての超有望株シングルトンが古巣アストロズにカムバック

写真:アストロズ復帰を果たしたシングルトン

アストロズは明日9日のオリオールズ戦のためにAAAからジョン・シングルトン一塁手を昇格する予定だと報じられている。

31歳のシングルトンはメジャーデビューを飾ったアストロズに5年ぶりの復帰となる。

シングルトンはフィリーズにドラフト指名された後、トレードでアストロズ入り。マイナーでめきめきと頭角を現し、2013年の『MLB.com』のプロスペクトランキングでは全体27位にランクインするほどのトッププロスペクトになった。

2014年、アストロズでついにメジャーデビューを飾ることになった際には、デビュー前にも関わらず異例の5年1000万ドル(最大で8年3000万ドル)の延長契約を与えられた。

しかし、その期待とは裏腹にシングルトンはメジャーで苦戦。2014年には新人ながら13本塁打を放ち大器の片鱗は見せたものの、2014年から15年にかけての2年間で打率.171、三振率約36%と確実性の低さに問題を抱えていた。

メジャーで通用せずマイナーに送り返されたシングルトンは、マイナーでも不振に陥り、薬物とアルコールに走るように。シングルトンはマイナー時代の2012年にもマリファナの使用で2回薬物乱用テストに引っかかった経験があった。

そして2018年、2年続けてAAAでも不振に陥る中、シングルトンは3度目の薬物テストに引っかかり、ついに彼は球団にリリースを申し出た。

リリースを申し出、球界から離れた当時は野球をもう一度することは全く頭になかったというシングルトン。しかし、ジムに毎日通ってトレーニングを続ける中で、再び野球への情熱が芽生えてきたという。

彼は2021年にメキシカンリーグに復帰を果たし、わずか46試合で15本塁打を記録するなど大活躍を見せる。その活躍に目をつけたブルワーズがシングルトンとマイナー契約を結んだ。

久々の米球界への復帰を果たしたシングルトンはブルワーズのAAAでも活躍し、オフに40人枠入り。今季もAAAで好成績を残していたが、メジャーでは多くの出場機会には恵まれず、6月に古巣アストロズとマイナー契約を結び直した。

そして、ついに2015年以来、アストロズのメジャーに戻ってくることとなった。

シングルトンは過去を振り返り、デビュー前に結んだ契約によるプレッシャーに襲われ、当時の若さでは不安と憂鬱にどう対処していいのか分からなかったと言う。

マリファナは2019年にMLBが指定する禁止薬物リストから外れ、シングルトンが陽性となった当時からは人々の見方も変わっているだろう。

しかし、シングルトンは薬物乱用のリハビリに通い、マリファナを断った。そしてMLBの舞台に戻ってきた。

かつて挫折を味わった古巣でブレイクし、この素晴らしいカムバックストーリーの続きを見せてくれるだろうか。

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