【MLB】ホワイトソックス、続く騒動 クラブハウスの規律の乱れが問題に

写真:ホワイトソックスからヤンキースに移籍したミドルトン

既に今季は白旗を挙げ、多数のベテランをデッドラインで放出したホワイトソックスだが、ここにきてクラブハウスの雰囲気が懸念される話題が頻繁に飛び出している。

発端となったのは、デッドラインでヤンキースに移籍したリリーバー、キーナン・ミドルトンの“告発”だった。

ミドルトンによれば、ブルペンで試合中に居眠りするルーキーがいたり、ミーティングに出ない選手がいたり、投内連携の練習に出ない投手がいたりするとのこと。ミドルトンの証言を裏付ける情報筋もおり、もし全てが本当ならばホワイトソックスの規律の乱れは深刻なレベルにある。

さらに先日は遊撃手ティム・アンダーソンがガーディアンズとの試合で大乱闘を演じ、さらに今日になってアンダーソンと捕手ヤスマニ・グランダルとの間にもオールスター前にひと悶着あったという報道があった。

ホワイトソックスの首脳陣は、取材の中でミドルトンの発言に反論。

リック・ハーンGMは、ミドルトンの発言は「不正確」だとし、「試合中にリリーバーがブルペンで居眠りしたことはない」と主張している。一方で、クラブハウスのカルチャー形成の問題を抱えていたことは事実であるとしている。

また、ハーンGMは内部情報を漏らしたミドルトンにチクリ。「率直に言って、キーナンがこのようなことを言うのは皮肉なことだ。なぜなら彼と最後に面と向かって話したのは、彼がペドロ(・グリフォル監督)に呼び出されたプロ意識に欠ける行動を私に謝罪したときだったのだから」

「そのときは一度だけだと思った」と、ハーンGMは「クラブハウスの中のことはクラブハウスだけにとどめる」という不文律を破ったミドルトンに不満を抱いているようだ。

ホワイトソックス内ではいったい何が起こっているのだろうか。

ホワイトソックスは今年から監督経験のないペドロ・グリフォルが監督に就任。ただ、これは新人監督の失敗という以上に、ホワイトソックスというチームに根付くカルチャーに問題があるのかもしれない。昨年までは大ベテランのトニー・ラルーサが監督を務めていたが、ミドルトンは、昨年からこのようなことが起こっていたと聞いていたそう。

ラルーサ監督の退任以上に大きかったのはチームリーダーだったホセ・アブレイユの退団かもしれない。リーダーシップが欠如しているのが問題という指摘も多いが、アブレイユはまさにチームのまとめ役で、ラテン系が多いホワイトソックスになくてはならない存在だった。

今シーズンは売り手に回ったものの、アンダーソンやディラン・シース、ルイス・ロバートらのスター選手はキープして来年を見据えているホワイトソックス。早くも来年に向けては黄信号が点っているかもしれない。

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