佐々木麟太郎、強烈な打球で先制 花巻東、相手投手を攻略

宇部鴻城-花巻東 4回裏花巻東無死二塁、佐々木麟太郎が左前に先制打を放つ。投手浅田=甲子園

 【大阪支社】全国高校野球選手権第3日は8日、甲子園球場で1回戦が行われ、本県代表の花巻東(4年ぶり11度目)は山口代表の宇部鴻城(4年ぶり3度目)に4-1で勝って、8年ぶりに夏の初戦を突破した。

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 花巻東は磨いてきた攻撃力を生かし、試合の流れをがっちりとつかんだ。四回、2番熊谷陸(3年)の内野安打に敵失が絡んで無死二塁とし、3番佐々木麟太郎(3年)が強烈な打球を左前へ運び先制。この日単打3本を放った背番号3は「自分の打撃スタイルはセンター返し。チームが勝つことだけを考えて打席に入った」と納得の表情だった。

 ここで終わらないのが今年のチームの強さだ。4番北條慎治(3年)が左前打で続き、5番千葉柚樹(3年)はしぶとく一ゴロ。走者を進め1死二、三塁とすると、6番広内駿汰(3年)は1ボール2ストライクから中前へ運ぶ2点打を放ち、3-0とした。広内は「追い込まれてからは逆方向へ打つことしか考えていなかった。憧れの舞台で結果を残せて最高です」と満面の笑みを浮かべた。

 山口大会で22回1失点の安定感を誇った宇部鴻城の主戦浅田真樹(3年)対策は完璧だった。右横手はプレートの三塁側から投げて角度をつけようとするが、浅田は一塁側のぎりぎりを使う。佐々木洋監督は試合前に「左打者にも右打者にもチェンジアップやシンカーが多い。左投手だと思って打席に立つようにさせる」と作戦を語っていた。打線は変化球を追いかけることなく、甘く入った直球を捉えて逆方向へはじき返した。

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