縄文人は何を食べていたの?海の幸も? 大和で最新研究紹介

大和市内で出土した土器から縄文時代の食を研究した最新成果などを紹介する特別展=大和市つる舞の里歴史資料館

 縄文人の食事は煮汁─。神奈川県大和市内で出土した土器から縄文時代の食を研究した最新成果などを紹介する特別展が、市つる舞の里歴史資料館(同市つきみ野)で開かれている。市の主催。27日まで入館無料。

 この研究は、山形大学准教授の白石哲也さんの申し出に市が協力、今年3月に成果がまとめられた。縄文時代の草創期~中期の市内3カ所の遺跡で見つかった鍋型の土器片に付着するすすや焦げを観察し、残存脂質も分析して調理方法と内容物を調べた。こうした食事を巡る研究は県内では珍しいという。

 その結果、吹きこぼれがないことから、中期の縄文人は「煮汁の粘性が低い調理」をしていたと推定。管理していたクリ、栽培していた大豆や小豆などの植物に、周辺で捕獲したイノシシやシカの肉を混ぜて加熱したスープを作って食べていた可能性がある、としている。

 また、周辺では捕獲が難しい海生動物を使っていた痕跡もあり、沿岸部との食材交換などの交流が始まっていたと考察している。

 会場には解説パネルのほか、研究対象にした土器類や復元した構造が分かるよう作成した3Dモデル映像を展示している。

 午前9時~午後5時。月曜休館。問い合わせは、同館電話046(278)3633。

© 株式会社神奈川新聞社