親子鷹で挑んだ集大成の夏 花巻東佐々木洋監督と麟太郎選手

仙台育英との準々決勝6回に打席を待つ佐々木麟太郎選手(左)と父親の洋監督=19日、兵庫県西宮市・甲子園球場

 【大阪支社】花巻東の佐々木洋監督(48)と長男麟太郎選手(3年)が親子鷹(おやこだか)で挑んだ集大成の夏が終わった。兵庫県西宮市の甲子園球場で19日行われた第105回全国高校野球選手権大会準々決勝。仙台育英(宮城)に4-9で敗れたが、佐々木監督は「九回はあそこまでしつこく粘ってくれると思わなかった。球場の声援もうれしかった」と目を赤くした。最後の打者となった大会屈指のスラッガー麟太郎選手はナイター照明が輝く聖地の夜空を見上げて号泣した。

 4-9で迎えた九回2死一、二塁。ベンチでヘルメットをかぶったまま戦況を見つめた麟太郎選手に最後の打席が回った。応援スタンドだけでなく、甲子園球場全体から手拍子が沸き起こった。

 暴投で二、三塁となったが、惜しくも二ゴロでゲームセット。一塁に頭から滑り込んだ背番号3は「打席を回してくれて本当にありがたかった」と顔に土をつけたまま涙を浮かべた。高校通算本塁打140本の逸材は聖地でアーチをかけることなく甲子園を去った。

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