千葉大学スタートアップのSmart119、救急集中治療医による「着衣着火」の対処方法を公開

千葉大学発医療スタートアップ企業である株式会社Smart119は、キャンプやバーベキュー、また家庭での調理の際、衣服に着火してしまった時の対処方法を救急集中治療医と救急救命士の見地から親しみやすいマンガで解説した資料を一般公開した。

今回、公開した資料では、「着衣着火」がどんなものなのか、どんな時に起こりやすいのか、また、服に火が燃え移ってしまったときの具体的な対処法などをマンガでわかりやすく紹介している。

着ている衣服に火が移る「着衣着火」は、想像以上に燃え広がる速度が速く、重度のやけどから死亡へ至るケースもある。調理に使うガスコンロ、冬は暖房器具、夏はキャンプ時の焚き火やバーベキューなど、季節や屋内外に関わらず火に接する機会は日常的に存在する。また、最近では保温性や速乾性がある機能的な衣類が好まれているが、こうした衣料は燃えやすい化学繊維を用いている。「着衣着火」は屋内外どこでも起こり得る身近な危険といえる。

屋内では、調理中のガスコンロから袖口へ着火することが多く報告されており、袖口が広い服での料理、またコンロの周辺に調味料などを置くのを避けて、袖口と火が接触しないことが重要だ。屋外では、炎や火の粉を浴びないように風向きに注意し、できれば難燃性の服を身につけるのが好ましい。屋内外ともに火加減を適切に調整することも必要。屋外で火を使用する場合は、消火用の水を用意するのは必須となる。

万が一、服に着火してしまったときは、手ではたく、風で消すといったことはせず、水で消火する。また、着衣着火時の防衛対策としてアメリカで考案された「ストップ!ドロップ&ロール!」という方法もある。火の勢いを大きくさせないために立ち止まり(ストップ)、燃える部分を地面に押し付けるように倒れ(ドロップ)、顔面火傷を防ぐために手で顔を覆いながら転がる(ロール)。やけどの状況によっては命に関わることもあるので、救急車を呼ぶ必要がある場合は要請する。

「着衣着火」に関するこの資料は、学校、企業、公共機関、町内会等で自由に配布・利用することが可能。株式会社Smart119の公式HPからダウンロードできる。

参考:【株式会社Smart119】【救急集中治療医が教える】服に火がついたら、どうする!

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