【データで見える最強選手⑮】体感速度がアップ! 最も打者の近くでボールをリリースする投手

現代のベースボールを語るうえで欠かせないのがデータ。膨大なデータを使えば、あらゆる事実が見えてくる。マウンドからホームベースの距離は18.44メートルと定められているが、投手が球を離すリリースポイントは人それぞれ。打者の近くでリリースすれば、打者にとっての体感速度は上がりやすくなる。そんな「球持ちの良い」投手が好投を続けている。

MLBにおける「球持ち」を表す指標は、投手がボールをリリースする距離を表すExtension(エクステンション)という数値で示される。今季のメジャートップが、ブリュワーズの守護神デビン・ウィリアムスとレッズのクローザー、アレクシス・ディアスの7.7フィート(約2.35メートル)で、メジャー平均の6.5フィート(約1.98メートル)よりも約37センチ打者の近くでボールをリリースしている。

リーグ4位の35セーブを挙げているウィリアムスは、昨年はエクステンションがメジャー2位の7.6フィートで、フォーシームの平均速度93.9マイル(約151.1キロ)の体感速度は96マイル(約154.5キロ)とみられていた。今季はさらに0.1フィート近づき、防御率は圧巻の1.59をマークしており、7月には月間最優秀リリーバーにも選ばれた。同7.7フィートのディアスは防御率2.10で、セーブはリーグトップタイの37セーブを挙げている。

この2人に共通するのはクローザーということだけではなく、どちらも身長が188センチとMLBでは特別背が高いわけではないということ。しかしながら、この球持ちの良さで打者を翻弄している。

ブリュワーズは現在ナ・リーグ中地区1位であり、その背後では、鈴木誠也が所属する2位のカブスが追い上げを図っている。レギュラーシーズンの最後には2チームによる3連戦が組まれているため、地区優勝をかけた重要な場面で、ウィリアムスと鈴木の熱い対戦が見られるかもしれない。

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