子どもたちが「草こづみ」作りに挑戦 九重町のタデ原湿原【大分県】

草こづみを作ったチームタデ原の子どもら=九重町

 【九重】九重町飯田地区に広がるタデ原湿原で9月24日、冬場の牛の餌となる「草こづみ」作りがあった。かつては飯田高原一帯で作られていたが、畜産農家の減少に伴って衰退。湿原の環境や生態系の保護などに子どもたちが取り組む「チームタデ原」の活動の一環で、2020年に復活させた。

 草こづみは「草を小さく積んだ」もの。両腕で抱えられる量の草を「1把」とし、牛1頭が1度に背負える6把を「1駄」と数える。同高原では10駄で一つのこづみを作っていた。

 今回はチームタデ原の3人が参加。約800平方メートル分の草を使い、5駄のこづみを作った。草は水分を含んだ状態のため、「重くて抱えるのが大変」と子どもたち。丁寧に積み上げ、ススキやカヤで屋根を作って仕上げた。11月中旬まで乾燥させ、町内の畜産農家に届けることにしている。

 指導した九重ふるさと自然学校(町内田野)の指原孝治さん(40)は「昔の人が草原とどう向き合ってきたかを知る機会になった。牛が草を食べ、堆肥で野菜が育つ循環も学べたと思う。草こづみのある風景を多くの人に知ってもらいたい」と話した。

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