甲府キャプテンの関口正大、決勝弾に繋がった素早いスローインに「早くした方がいいなと」

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

ヴァンフォーレ甲府がAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で歴史的な1勝を挙げた。

4日のグループH第2節でブリーラム・ユナイテッド(タイ)を迎え撃った甲府。拮抗した展開が続いたが、後半途中の交代が少しずつ効果を発揮すると、90分にクリスティアーノのクロスから長谷川元希がヘッドを決め、これが決勝点となった。

国立競技場を舞台の歴史的な一戦は2試合連続の0-0もちらつくなか、あいにくの雨天もどうでもよくなるぐらいの劇的幕切れとなり、キャプテンの関口正大も試合後の表情に充実感を滲ませた。

「試合前からああいうスタジアムの雰囲気を作ってくれて、ヴァンフォーレ甲府のファンじゃないサポーターも来ていただいたし、日本を代表して戦う責任と結果で示すというのはチーム全員に共有した部分。それが結果に繋がって良かった」

そう感想を述べると、クリスティアーノと長谷川によるゴールシーンを含め、途中出場選手が光った流れを「トレーニングから色んな選手と組み合わせながらやっている」と振り返っている。

「クリスティアーノや長谷川元希とかが入って、選手の特長が変わった。守備で頑張ってくれたけど、0-0でっていうよりかはホームだし、『1点を獲りにいく』というチームの方向性がそこで決まったと思う」

ゴールシーンではクリスティアーノのクロスと長谷川のシュートがフォーカスされるが、起点は関口のスローイン。素早くクリスティアーノにボールを出したのは影のキープレーだったと言っていい。

「クリスはロングスローもあるし、中に入れていくのかなと思ったけど、クロスも速いボールを上げられる。(クリスティアーノにボールを出すのを)早くした方がいいなと思った」

そうして生まれたゴール直後、甲府のゴール裏では歓喜の輪。篠田善之監督までもダッシュで駆け寄る喜びようだったが、ピッチのセンターサークルに関口の姿。その場はその場で歓喜の瞬間を味わったようだ。

「僕も行きたかったけど、ゴール裏(笑) 全員が行っちゃうと雰囲気的にフワフワしちゃうかなと思って、僕はセンターサークルで待った。でも、真ん中で聞いていてもすごい歓声だったし、選手だけじゃなく、ファンとサポーターの気持ちが乗ったシュートだったと思う」

地方の街クラブだが、ACLという晴れ舞台で爪痕を残す甲府。ここまで1勝1分けの戦いぶりは横浜F・マリノスや、川崎フロンターレ、浦和レッズのJ1勢からの参戦組にも負けず劣らず。アジアでの挑戦は今後も続く。

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