レンジャーズ・ボウチー監督 新時代の野球に適応した68歳の名将

時代の変化とともに監督の役割も変わっている現在のMLBでは、自分の古いやり方に固執した監督はどんどん淘汰されていく。74歳のダスティ・ベイカー(アストロズ)、67歳のブライアン・スニッカー(ブレーブス)のように高齢の監督もいるが、彼らが監督業を続けることができているのは、現代の野球にアジャストしたからだ。今季からレンジャーズの監督に就任したブルース・ボウチー監督もその1人。68歳の名将は現代の考え方と伝統的な考え方の融合を重視し、チームをリーグ優勝決定シリーズに導いた。

レンジャーズのクリス・ヤングGMは現役時代の2006年にボウチーが率いるパドレスでプレーした。その縁もあり、昨季途中にクリス・ウッドワード監督を解任したレンジャーズは、今季からの新監督としてボウチーを招へい。ジャイアンツで指揮を執った2019年を最後に3シーズン、MLBの舞台を離れていたボウチーの監督就任を不安視する声も上がったが、ボウチーはレンジャーズを7年ぶりのプレーオフに導き、フロントオフィスの決断が正しかったことを証明してみせた。

ヤングGMは「私がボウチーのもとでプレーしたときから野球は大きく変わった。フロントオフィスの役割が大きくなり、データ分析などの影響力も増大した。しかし、ボウチーはそれに適応している。彼は進化を続けている素晴らしい監督だ」とコメント。「ボウチーを雇ったとき、私は多くの人々にオールドスクールの監督を雇うのかと質問された。正反対だ。自分のやり方に固執する人は長続きしない。長く指揮を執っている高齢の監督たちは、オープンマインドで進化を続けるんだ。ボウチーもそういう監督なんだ」と名将の能力を称えた。

ジャイアンツ時代に3度のワールドシリーズ制覇を成し遂げ、プレーオフ通算勝率.598(49勝33敗)はプレーオフに5度以上出場した監督のなかで歴代3位。そうした実績もあり、ミッチ・ガーバーが「打線や継投に関する彼の決断には誰も反論できない。でも、僕たちは彼の決断を信用しているし、彼の采配も信じている」と語るように、選手たちからも全幅の信頼を得ている。

すでにパドレスとジャイアンツでリーグ優勝を経験しているボウチー。アストロズを破れば、史上初となる「異なる3チームでリーグ優勝決定シリーズに勝利」という快挙を達成することになるが、レンジャーズを12年ぶりのワールドシリーズに導くことができるか注目だ。

The post レンジャーズ・ボウチー監督 新時代の野球に適応した68歳の名将 first appeared on MLB.JP.

© MLB Advanced Media, LP.