チェルシー女子率いるエマ・ヘイズ監督が今季限りで退任…アメリカ女子代表監督就任へ

アメリカ女子代表の新監督候補に浮上したエマ・ヘイズ監督[写真:Getty Images]

チェルシー女子チームを率いるエマ・ヘイズ監督(47)が、アメリカ女子代表の新監督候補に浮上した。『ESPN』が報じている。

2012年からチェルシーの女子チームを指揮するヘイズ監督。ここまで通算6度のWSL制覇や、5度の女子FAカップを制するなど15個のトロフィーをもたらし、個人としては2021年のFIFA女子最優秀監督賞、通算6度のWSL最優秀監督賞を受賞した経験を持つイングランド屈指の指揮官だ。

昨シーズンのチェルシー男子チーム不調時にはフランク・ランパード監督に代わって暫定指揮官に据えるべきとの識者の声も挙がっていた。

今シーズンもここまでチームをWSLのリーグテーブル最上位に導く卓越した手腕を発揮しているが、6-0で勝利したアストン・ビラ戦後に今シーズン限りでの退任の意向を表明した。

この発表を受け、チェルシーの共同スポーツディレクターであるローレンス・スチュワート氏とポール・ウィンスタンレー氏は、クラブとしてシーズン終了後に快く新たな挑戦に送り出す旨を明かしている。

「彼女がクラブとともに10年以上チェルシーに貢献してきたこと、そしてこれまで残した功績を考慮すると、彼女が新たな挑戦に取り組む適切な時期だと感じたとき、我々は決して彼女の邪魔をするつもりはない」

「クラブでのエマの多くの功績を祝い、彼女にふさわしい別れを告げる時間は十分にあるだろうが、今のところ、これまでと同様、エマは今シーズンをチェルシーで可能な限り成功させることだけに集中するだろう」

前述の退任の意向発表時に、「WSLとクラブフットボールの外で新たな機会を追求するため」との説明をしていたヘイズ監督の新たな挑戦の場は、アメリカ女子代表となる可能性が高いようだ。

先のオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)で3連覇を逃した同代表は、ヴラトコ・アンドノフスキ前監督が辞任。現在はトゥウィラ・キルゴア氏が暫定指揮官を務めている。

そして、アメリカ合衆国サッカー連盟(USSF)の関係者は、『ESPN』の取材に対してヘイズ監督と事前協議を進めていることを認めた。さらに、同監督の招へいに関して「緊急理事会」が計画されていることを明かした。

ちなみに、ヘイズ監督はロンドン出身も監督キャリアの初期はロング・アイランド・ラフ・ライダーズ、アイオナ・カレッジとアメリカのチームを指揮しており、2008年から2010年まではシカゴ・レッドスターズの監督も務めていた。そのため、新天地への適応は全く問題ない。

なお、USSFは来年のパリ・オリンピック制覇を最大の目標と捉えており、来年初旬開催のCONCACAF女子ゴールドカップを含め、部分的にチェルシーとの兼任を要請する可能性もあるようだ。

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