【第一三共ヘルスケア】薬シートリサイクル、目標2倍の1t超の回収を達成/10月からはマツキヨも参画

【2023.11.23配信】第一三共ヘルスケアは、テラサイクルジャパン合同会社と共に取り組んできた、「おくすりシート リサイクルプログラム」の実証実験について、最終結果を公表した。目標2倍の1t超の回収を達成したという。

本格展開に向けて回収拠点拡大等の検討開始

同プログラムは、使用済みの「おくすりシート」を回収・リサイクルする生活者参加型プログラム。薬シートは必要不可欠な医薬品包装資材の特性上、削減が難しく、今後も高齢化の進展に伴い使用量の増加が見込まれることから、同プログラムでは薬シートがリサイクル可能な資源であることの認知を高め、資源として循環する仕組みを確立することを目的としている。

プログラム開始直後から反響は大きく、中間報告時点で目標値を上回ったことから、今年5月に目標を大幅に上方修正。その後も回収拠点を増加しながら回収を進めた結果、拠点数は修正後の目標である60拠点に達し、回収量も修正後の目標の2倍以上となる108万枚相当(1,077kg)を達成。目標を大きく上回ったとしている。

プログラム実施横浜市在住者(n=526)を対象に同社が今年9月に実施した調査の結果、プログラムの認知率は19.6%で、そのうち56.3%が「本プログラムに参加したことがある」と回答した。

実証実験の結果を受け、同社では今後、プログラムのさらなる認知拡大に向けた取り組みの実施や、回収拠点を広げてより参加しやすい環境を整備など、本格展開に向けての検討を開始しているという。

プログラムの実施概要は以下の通り。
・実施期間:2022年10月20日(木)~2023年9月30日(土)
・回収対象:使用済み「おくすりシート」(購入店舗やメーカーを問わない)
・回収場所:横浜市の薬局・ドラッグストア、病院、公共施設等

回収された薬シートは、シートのプラスチックとアルミニウムを分離後、各々リサイクル処理され、新たなリサイクル製品として生まれ変わる。
薬シートは臭いや汚れの付着がほぼなく、洗浄の必要もなく濡れていないことから、家庭や回収拠点で保管中に腐敗や劣化が少なく扱いやすいため、ためて持っていくことへの抵抗が少ないことが考えられる。一方、回収量全体における異物混入量は5~10%程度だった。量として多くはないものの、異物を取り除く作業にかかるコストを抑え、かつ再資源化率を高めるために、回収時の異物混入防止策の検討を継続課題としている。また薬シートはプラスチックとアルミニウムが圧着されていることに加え、医薬品ごとにプラスチック素材の種類や構成が異なるため、その分別が難しくリサイクルに多くの工程を要し、エネルギーを消費しかねない。この課題を解決するため、2024年内をめどに、将来の回収量拡大にも対応できる効率的なリサイクル方法の開発も目指しているという。

2023年10月1日からは、株式会社マツキヨココカラ&カンパニーが同プログラムへの参加を開始している。
同社の参画場所は、以下の横浜市内のマツモトキヨシグループ2店舗、ココカラファイングループ3店舗。
・南区 薬マツモトキヨシ matsukiyoLAB 井土ヶ谷店駅前店
・鶴見区 薬マツモトキヨシ 鶴見駅西口店
・西区 ヘルスケアセイジョー 藤棚店
・保土ヶ谷区 ココカラファイン薬局 保土ヶ谷店
・緑区 ココカラファイン薬局 十日市場駅南口店

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