「ジャングリア」地元の沖縄・名護市と今帰仁村では懸念も 「工事ですでに渋滞」 経済効果に期待の一方で

(資料写真)テーマパーク建設地で、元・オリオン嵐山ゴルフ倶楽部の敷地=2019年9月10日、今帰仁村呉我山

 【北部】今帰仁村と名護市にまたがる新テーマパーク「JUNGLIA(ジャングリア)」の概要が明らかになった。地元には経済効果への期待と、行き過ぎた商業主義への懸念が交錯する。

 今帰仁村の久田浩也村長は「やっと中身が解禁され、ほっとした。村民所得の向上などあらゆる産業への効果を期待している。包括連携協定も結んでおり、子どもたちのキャリア教育にも役立てたい」と語った。

 同村観光協会の横澤一美事務局長は「行ってみたくなるワクワクする内容だった。観光客がテーマパークだけではなく地域にも訪れるような仕組みを考えなければ」と意気込んだ。

 地元の一つ、名護市中山区の川野圭輔区長も、雇用拡大などに期待する。半面、「住民からは説明会開催の要望もある。工事の段階から渋滞が発生しており、なるべく今の生活が壊れない動きになってほしい」と求めた。

 市観光協会の比嘉重史事務局長は渋滞解消に向け、周遊バス導入などを提案する。「豊かな自然、沖縄美ら海水族館に加えてテーマパークもできる。コロナで落ち込んだ北部経済を復活させる契機だ」と強調した。

 一方、利益優先の開発を警戒する声も。イメージ映像を見た同市の多嘉山侑三市議は「地域の伝統や文化、生活習慣には関心がないような印象を受けた。気候や自然を、利益を生むツールとしか見ていないのでは」と疑問を投げかける。「世界自然遺産のブランドを都合良く切り取っている。米軍廃棄物の問題も覆い隠される懸念がある」と訴えた。(北部報道部・玉城日向子)

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