オスプレイ、飛行停止せず 米国防総省、沖縄で運用継続「安全性に問題はない」 県民の懸念は「承知していない」

米軍普天間飛行場を離陸するMV22オスプレイ=1日午後1時31分、宜野湾市(金城健太撮影)

 鹿児島県屋久島沖で発生した米軍輸送機オスプレイの墜落事故を巡り、米国防総省は1日までに本紙の取材に対し、沖縄県内での米軍輸送機オスプレイの飛行を継続する方針を表明した。同省の当局者は、飛行停止を求めた玉城デニー知事の発言や県民の懸念は「承知していない」と述べた上で「安全性を維持するための整備や点検などは常に入念に行っており、運用に問題はない」と回答。現時点で飛行停止の必要性はないとの見解を示した。(平安名純代・米国特約記者、東京報道部・新垣卓也、中部報道部・砂川孫優)

 米側は家族への配慮から、乗員1人の死亡を1日夕になってから公表した。他7人の行方は依然不明としている。現場では米軍や自衛隊、海上保安庁が捜索活動を継続。県は1日、捜索活動でオスプレイ以外の機種の使用を米軍に求めるよう、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に要請した。

 米国防総省のシン副報道官は11月30日(現地時間)の記者会見で「現在の優先事項は捜索・救助活動だ」と強調し、飛行停止は検討していないと述べた。その上で「事故原因の調査結果で、追加措置が必要との結論が出れば対応する」と語った。

 また日本政府が安全確認後の飛行を要請したことについて、副報道官は「私が知る限り、公式要請は受けていない」と発言。これを受けて防衛省は1日午後、日本側からの要請について「国防総省内にも共有されていることを改めて米側に確認した」と説明した。

 県内では1日も米軍オスプレイが普天間飛行場などで離着陸をする様子が確認された。嘉手納基地では同日午前8時25分ごろ、米海軍の艦載輸送機CMV22オスプレイとみられる機体が離陸した。

 木原稔防衛相は1日の会見で、自身や防衛省幹部からラップ在日米軍司令官へ安全確認後の飛行を要請した後も飛び続けている現状について「十分な説明がない」と不満を示した上で「懸念を有している」と述べた。

 一方で、今後の対応に関しては「私を含むさまざまなレベルで情報提供を求め、働きかけていく」と述べるにとどめた。

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