生き残りかけガソリンスタンド全面リニューアル 宇都宮

全国的にガソリンスタンドが減少傾向にある中、宇都宮市内のガソリンスタンドが1日、生き残りをかけてリニューアルオープンしました。

宇都宮市柳田町にリニューアルオープンしたのは「ドトールキッチンエネジェット宇都宮柳田店」です。もともと栃木県内で唯一だったドトールコーヒーを併設するガソリンスタンドを今回全面リニューアルしファミリーレストランのようにパスタやカレーなどの食事が楽しめる店舗へと生まれ変わりました。県内では今回が初めてで全国では29店舗目となります。

客席は53席と以前の倍に増やし給油などに訪れた個人客だけでなくグループ客の取り込みも狙います。さらにスタンドの一角には政府や石油元売大手が普及に力を入れているEV、電気自動車の急速充電設備を新たに設けました。充電する20分ほどの間に食事のできる店舗でくつろいでもらい電気自動車のユーザーへの利便性の向上につなげます。

一方でガソリンスタンドを取り巻く状況は自動車の燃費性能の向上やEVの普及といったガソリン販売量の落ち込み、それに、古い地下貯蔵タンクの改修費用や後継者不足などから年々、廃業に追い込まれる店舗が増えています。

経済産業省資源エネルギー庁のまとめでは統計のある1994年度以降県内のスタンドは1996年度末の1394カ所をピークにその後26年連続で減少。今年3月末の時点で615カ所とピーク時の半分以下にまで減少しています。暖房器具などに使う灯油などの需要が高まるこの時期、市街地から離れた過疎地ではガソリンスタンドが1カ所というところもあり地域のインフラとして重要な役目を担っています。

県石油商業組合の山口博之理事長は「これからは生き残るために地域に合った特性を活かしスタンドが現状から減らないようにしたい。後継者不足に悩まない明るい業界になってほしい」と話しています。

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