沖縄県産素材使ったチョコ「琉球」が金賞 世界最大級の品評会「サロン・デュ・ショコラ」で 世界的ショコラティエ・辻口博啓氏が出品

 世界的パティシエ・ショコラティエの辻口博啓(ひろのぶ)氏が手掛けた沖縄県産食材使用のチョコレート「琉球」が、世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ」(フランス・パリ)のショコラ品評会で最高評価の金賞を受賞した。黒糖や豆腐ようなどを使用した作品は、現地メディアに取り上げられ、祭典中に1千個完売の好評を博した。(政経部・大川藍)

 辻口氏のサロン・デュ・ショコラ金賞は7回目で、いわば常連。今回は豆腐ようなど県外で知られていない食材を使うチャレンジングな試みで、「受賞は難しいと思っていた」という。

 辻口氏は琉球王朝時代から続く沖縄の食文化の魅力に着目し、食材の個性を生かした作品を製作。受賞作は黒糖、豆腐ようと洋なし、琉球紅茶と北谷産塩、島こしょうとハイビスカスなど、いずれも県産食材を使った4種類のチョコレートで構成されている。

 豆腐ようにミルクチョコレートを練り込み、洋なしと合わせた作品が最も注目を集めた。大豆を加工した豆腐をさらに発酵させる豆腐ようは「ヨーロッパの人が理解できるか不安だった」と語るが、大勢の来場者が買い求めたという。その理由を「素材自体がとてもおいしくて独自性があるから」と分析した。

 作品全体に魚沼醸造(新潟県)の米こうじから作った発酵甘味料の「糀(こうじ)みつ」を使用した。

 「琉球」は来年1月15日からオンラインショップと「ル ショコラ ドゥ アッシュ」の各店で販売。1箱で税込み2500円。

 辻口氏は東京を拠点に活動している。

「サロン・デュ・ショコラ」で金賞を受賞した「琉球」(ル ショコラ ドゥ アッシュ提供)
パティシエ・ショコラティエの辻口博啓氏(ル ショコラ ドゥ アッシュ提供)

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