心理的な負担も増え…沖縄県の職員、1年間で60人が中途退職 玉城デニー知事「若手の意見のボトムアップが大切」

 沖縄県議会(赤嶺昇議長)11月定例会は7日、一般質問が始まり、沖縄・自民党の8氏が登壇した。県警の鎌谷陽之本部長は2022年の女性刑法犯検挙人員について、前年比45人増の510人だったと答弁した。罪種別の内訳では、詐欺による検挙が前年比で約7割増加。コロナ給付金の不正受給が多く占めているほか「SNS等を介して勧誘され、犯罪に加担する例が見られる」と説明した。

 宮城力総務部長は、22年度に定年などを除く「普通退職者」が一般職員に60人いたとして「公務への社会的要請が複雑多様化し、職員が担う業務や心理的負担が増大していることが背景にある」と答弁した。

 また、知事部局の職員に占める退職者の割合は、全年齢で1.6%なのに対して、20代は1.9%、30代は2.2%と若い世代で高い傾向にあると述べた。

 玉城デニー知事は「私の経験上、意見が事業に反映されるとやりがいにつながる。若い人の意見もしっかりボトムアップさせることが大切」として、働きがいのある職場づくりに取り組むと答えた。いずれも石原朝子氏への答弁。

 金城敦企画部長は、県内の路線バス主要4社の運転手が、コロナ禍前の19年度末の861人から22年度末に758人と約12%減ったと説明。タクシーは法人・個人合わせて7374人から6400人となり、約13%減だった。仲村家治氏への答弁。

 公共インフラ整備について、仲田弘毅氏が「国がリードして予算を賄うので、協力体制を取るべきだ」と見解を求めたのに対し、玉城知事は「地域の振興について協力をいただきたい」と述べるにとどめた。

 本竹秀光病院事業局長は医師の働き方改革に向けた事務手続きの効率化や業務集約化のためのシステム構築費が計9千万円以上に上ると明らかにした。

 前川智宏土木建築部長は、公営住宅の建設時に借り入れた地方債の返済の一部を国が補助する「公的賃貸住宅家賃低廉化事業」に関し、16~22年度までの市町村要望額が約35億9千万円なのに対し、実際の配分は約20億4千万円(56.8%)だったと明らかにした。23年度は配分額1100万円で、要望額4億8300万円の2.4%にとどまった。いずれも新垣淑豊氏への答弁。

 同事業は全国一律の制度だが、県では減額が続くハード交付金からしか充てられない。現在、那覇や石垣、名護など9市町村が利用している。

(資料写真)沖縄県議会で答弁する玉城デニー知事=12月5日

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