若者に人気の日の出スポット「霧降高原キスゲ平園地」 マナー悪化で対応苦慮… 知事も怒りの投稿

 日光市の霧降高原にある展望台が、SNSで美しい日の出が見られるスポットとして若者の間で人気となり、それを見ようと連日、大勢の人が押し寄せています。その一方で、一部でマナーが悪化し、管理する人を悩ませています。

 霧降高原のキスゲ平園地では毎年6月中旬から7月にかけて高山植物のニッコウキスゲが黄色い花を咲かせます。高いところで標高が1600メートルあり、10ヘクタールの斜面を彩る国内有数の群生地として知られていて、ほかにも貴重な植物が見られます。

 この場所は今、美しい日の出が見られるスポットとして連日多くの人でにぎわっています。朝6時半過ぎ、展望台に詰めかけた人のほとんどは若者。TikTokに投稿されたのがきっかけで、人気に火が付き、関西や東北方面からも訪れる人がいるということです。

 園内では、貴重な植物を守るため遊歩道以外の場所の立ち入りは禁止されていますが、ロープを超えて写真を撮影する人やそこに座り込む人の姿が目立ちました。さらに日が昇った後、歩道を見てみると、禁止されているはずのタバコの吸い殻や空き缶などが至る所に落ちていました。

 例年この時期の日の出客はほぼゼロだったといいますが、今では休みの日になると300人ほどが訪れ、ゴミのポイ捨てが深刻になっています。そのため管理する事務所の職員は、出勤するとすぐにゴミを拾いに園内をまわり、その作業に時間を割かれています。ゴミ袋はものの10分でいっぱいに。さらにこの日は、若者のグループ同士でトラブルがあり警察が駆けつける騒ぎもありました。

 11月はじめの3連休には600人ほどが訪れ、路上駐車が相次ぐ事態となり、福田富一知事は、自身のSNSに怒りの投稿をしました。マナー違反をしているのは一部の人だけだといいますが、今後、初日の出を見るために今まで以上に人が訪れることも考えられるため、管理事務所では山火事などさらに大きな問題が起こらないか懸念しています。

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