久留島武彦生誕150年「功績伝える一年に」 玖珠町で多彩なイベント計画【大分県】

2024年は企画展を年7回に増やす久留島武彦記念館=玖珠町
「功績をしっかり伝える一年にしたい」と意気込む久留島武彦記念館の金成妍館長

 【玖珠】玖珠町出身で、「日本のアンデルセン」と称される口演童話家・久留島武彦(1874~1960年)は2024年、生誕150年を迎える。町は「童話の里」をうたい、久留島の言葉や業績を教育やまちづくりに取り入れている。節目の年は久留島武彦記念館(町内森)を中心に、顕彰にさらに力を入れる方針。一年を通してさまざまなイベントを計画している。

 記念館では例年4回の企画展を7回に増やす。12日から第1弾として「久留島武彦と郷土玩具」を開催。4月からは北原白秋ら童謡詩人とのつながりなどを伝え、6月以降は著名な挿絵画家との交流をシリーズで紹介することにしている。

 久留島の口演行脚50周年を機に、1950年に始まった日本童話祭(5月)は今年で75回目。町最大のイベントも節目に当たり、町教育委員会社会教育課は記念となる催しを検討中。秋には、久留島の生涯を講談で伝える記念イベントやフォーラムも企画している。

 記念館は2017年4月に開館。久留島の研究者として準備段階から携わった金成妍館長は「オープン以来、地元の子どもたちが必ず来て、学んでくれる場所になった。この7年で知名度は確実に上がった」と手応えを口にする。

 節目の年に関われることを誇りに感じており、「口演童話の活動はよく知られているが、久留島ワールドはもっと広く、深い。郷土出身の偉人の功績を、あらためてしっかりと伝えていく一年にしたい」と張り切っている。

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