能登半島地震 長崎県でも支援始まる 飲料水、食料、義援金… 広がる思いやりの輪

支援物資を積み込む草野理事長=諫早市内

 能登半島地震の被災地を支援する動きが長崎県内でも始まっている。
 災害ボランティアに取り組むNPO法人「有明支縁会」(諫早市)は4日、飲料水や食料を車両1台に積み込み出発した。ほかにカセットコンロ、使い捨てカイロ、おむつ、生理用品なども。石川県志賀町内の個人宅を搬入先として確保しており、住民の手で被災者に届ける段取りという。同会は2016年熊本地震でも長期にわたって支援に当たった。草野紀視子理事長は「状況を確認し支援を続けたい」と話す。
 島原市で3日に「故郷しまばら二十歳の集い」を主催した地元の若者たちは4日、会場で募り集めた義援金約3万円を市に託した。市役所を4人で訪れた宇土彩音さん(20)=活水女子大2年=は「同じ時間を過ごしているのに、私たちは祝っていいのだろうかと思った」と複雑な思いを吐露。古川隆三郎市長は「そう考えられる皆さんが素晴らしい」とねぎらった。
 県は厚生労働省からの要請を受け、災害時健康危機管理支援チーム(DHEAT)や、避難所の健康管理などを担う保健師チームの派遣を検討している。
 複数の市町がロビーなどに募金箱を置いた。雲仙岳災害記念館(島原市)も4日に設置。雲仙・普賢岳噴火災害や新潟県中越地震(04年)で被災者支援に携わった杉本伸一館長(73)は「自分だったらどういう支援が助かるか、受け手側の事情を想像する力も必要」と強調した。
 バスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の長崎ヴェルカは6、7日のホームゲーム会場(県立総合体育館)で義援金を募る。

古川市長(中央)に義援金を託す若者=島原市役所

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