沖縄の高校生、アプリ制作に挑戦 身近な便利情報を一覧化 塾講師が受験対策の一環で

アドバイスをもらいながらアプリを作る高校生ら=12月26日、那覇市泉崎

 【那覇】大学受験予備校グレイトヴォヤージュ(那覇市、大岩光昭代表)に通う高校生が12月26日、アプリやWebサイトを簡単に制作できるノーコードツール「Glide(グライド)」を通じ身近な課題解決に挑戦した。街中にある自習室、高校生でも参加可能なボランティアの一覧検索や、部活の練習記録の整理など、普段の生活で感じた不便さをどうクリアできるか試行錯誤した。(社会部・城間陽介)

 同塾講師で南風原町議の玉城陽平さん(32)が、大学受験の推薦、総合選抜入試対策の一環として企画。生徒たちはグライドの使い方を一通り学んだ後、タブレット端末を使ってアプリ制作に取り組んだ。

 複数のウェブページにまたがるボランティア情報を整理し、参加可能な団体の一覧化に取り組んだ糸満高2年の具志恭馬(やすま)さん(16)は「ボランティアに興味はあるが、高校生が参加できるのか一目で分からなかった。アプリ制作を通していろんな人と関わりを持てたら」と話した。

 同じ要領で自習室の情報集約に挑戦した那覇高2年の大城奏(かな)さん(17)は「ネット検索しても自習できる場所がどこにあるか分からないことが多い。今回調べてみて、街中の新たな自習スペースが発見できた」と話した。

 那覇西高2年の上原捷大朗(しょうたろう)さんたちは100円で飲料水を購入できる自動販売機の検索アプリ制作を試みた。「普通の値段でコーラを買った後で、その近くに100円で買える自販機があったらショック。高校生にとって数十円は大きいので、こういうアプリがあればありがたい」と思いは切実。

 自らもグライドを使いこなす玉城さんは「目の前の小さな課題について、テクノロジーを使ってどう解決できるのか。まず経験してほしかった」と話した。

 高校生たちが試作したアプリは、中高生による社会課題解決を表彰する「STEAM JAPAN AWARD」に応募する予定。3月に表彰がある。

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