首里城正殿の赤瓦 焼失した瓦も使用し土作り 23種6万枚を製造し沖縄県に納品へ

6種の原料を混ぜ合わせて作った土を確認する島袋瓦工場の島袋義一代表取締役=5日、与那原町・同工場

 首里城正殿の赤瓦の製造が5日始まり、沖縄県と製造業務契約を結んだ県赤瓦事業協同組合(与那原町)の一つ、島袋瓦工場で土作りがあった。組合4工場は、平瓦や丸瓦など正殿に使われる23種約6万枚を製造し、県に納品する。

 与那原町の島袋瓦工場では県や組合の関係者が見守る中、原料が配合された。焼失した正殿の赤瓦をパウダー状にしたものをはじめ、大里クチャ2種、石嶺クチャ、赤土、炭酸バリウムなど6種を混ぜ合わせ、機械でつぶしたりかき回したりして土を作った。

 6万枚の赤瓦に使われる原料は推定で重さ約360トン。島袋瓦工場で作られた土は八幡瓦工場、当山瓦工場(いずれも与那原町)、名幸花鉢工場(沖縄市)に順次運ばれ、4工場で赤瓦の成形が始まる。

 島袋瓦工場の島袋義一代表取締役は土の出来栄えに「思った以上にうまくいった」とほっとした様子。組合の八幡昇代表理事は「首里城のためにようやくお手伝いができる。品質を均一にし、一枚一枚確認していく」と語った。(南部報道部・榮門琴音)

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