奇跡の救出劇 地震発生から124時間後に救出された93歳女性 DMAT派遣の中野市の医師が緊迫場面語る【長野・中野市】

能登半島地震から124時間が経ち、倒壊した家屋から救出された93歳の女性。DMATとしてその現場で活動した中野市の病院が緊迫の救出劇を語りました。生き延びることが出来た要因は何だったのでしょうか。

■救急隊員
「搬送します 安全OK」「よく頑張ったよ ゆっくり 大丈夫だから」

石川県珠洲市で6日、倒壊した家屋から124時間ぶりに救出された93歳の女性。降りしきる雨の中、およそ100人の救急隊員が対応に当たりました。災害発生から72時間を過ぎると生存率が著しく低下することから、「奇跡の救出劇」とも言われています。

この女性を搬送したのは、災害時に被災地に駆けつけ、救急治療を行う災害派遣医療チームの「長野県DMAT」です。チームに参加した中野市の北信総合病院が17日会見を開き、救出劇の詳細を話しました。

■北信総合病院 酒井健司医師
「病院に運ばれてきてからは124時間ぶりで93歳で大丈夫かなと言っていたが、来てみると声も掛ければ話してくれた」

長野県DMATは、女性が一時的に運ばれた珠洲市内の病院から、金沢市内の病院に搬送。体調が急変しないように、点滴をしながら女性の様子を見守りました。

■酒井健司医師
「血圧とか顔色とか尿とかそういうものとにらめっこしながら点滴をしたりして搬送した。」
「病院に無事に辿り着いたので、しっかり引き継いでしっかり診てもらって元気になりましょうということでお別れした。」

124時間もの間、生き延びることが出来た要因は何だったのでしょうか。

■酒井健司医師
「聞くところによるとベッドの上にいたということだったので、おそらく布団をかけていたと思う/救出された時点では偶発性低体温症で体温がぐっと下がっている状態だったみたいだが、ある程度体温の低下を防げる状況だった」
「救命して少しでも被災地の人に明るいニュースを届けたかった。」

いまだ行方不明者がいる石川県。救助隊などが懸命の捜索を続けています。

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