ゆふいん花の木通り商店街に駄菓子屋 週5回、3時間だけ営業「地域に愛される店に」【大分県】

お菓子が並ぶ店内。お勧め商品を手にする工藤佳乃さん(左)と田村真衣店長=由布市湯布院町川上
「おかしとおもちゃのくどう」の外観
子どもたちにも分かりやすく値段を表示している

 【由布】由布市湯布院町川上のゆふいん花の木通り商店街に、駄菓子などを販売する「おかしとおもちゃのくどう」がオープンした。同町川西の工藤ランドリーが経営し、週5回、午後3時から3時間だけ営業する。「駄菓子を買う楽しみを味わってもらい、子ども時代の思い出の一つにしてほしい」と願う。

 工藤ランドリーは無店舗取次のクリーニング業。旅館のシーツなどを取り扱っている。仕事で湯布院町内を回る中、工藤直樹代表(31)は「観光客向けの店は多いが、地元の子どものための店がない」と感じていた。

 JR由布院駅近くで、地元住民向けの店舗が並ぶ同商店街には、7年ほど前まで駄菓子を売るおもちゃ屋があった。工藤代表の妻、佳乃さん(33)もかつて、よく行ったという。

 挾間町出身の工藤代表も子どもの頃はお小遣いを握りしめ、地元の駄菓子屋に通っていた。楽しかった記憶は今も残っている。今の子どもたちにも同じような体験をしてほしいと、昨年12月22日に店をオープンした。

 店舗は15平方メートルほど。棚にはびっしりと菓子が並ぶ。気軽に買えるよう、最も安いあめなどは税込み10円から販売する。「子どもたちの笑顔のために利益は度外視」と工藤代表。12円のカルパスや、45円のポテトフライが人気という。「どれを買おうかと、何周も店内を回る子も多い。予算内に収まるよう暗算をしながら選んでいる」

 営業は月、火、水、金、土曜日(31日は休み)。口コミで広まり、午後3時の営業開始を地元の子どもが待っている。習い事を終えて立ち寄る子もいるため、午後6時まで開けている。

 陳列棚やレジカウンターは、かつてのおもちゃ屋から譲り受けた。当時の店を知る人からは懐かしがられる。「地域に愛される店にしたい。子どもたちのにぎやかな声が響き、商店街の活性化にもつながるといい」と意気込んでいる。

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