訪日客を取り込みたいホテルと在留外国人をマッチング 「オキナワ・スタートアップ・プログラム」の9社が熱いプレゼン

[Okinawa STARTUP PROGRAM 2023-2024]

 沖縄から革新的で競争力のあるスタートアップ(新興企業)の創出・育成を目指す「オキナワ・スタートアップ・プログラム(OSP)」のデモデイ(事業発表)が23日、恩納村内であった。2023年度に支援企業として採択された9社の代表者が、社会課題を解決する新たなビジネスを、投資会社やスタートアップ支援機関の関係者に熱くプレゼンテーションした。

 SOCIALPORT(ソーシャルポート、東京)は、インバウンド(訪日客)を取り込みたい宿泊施設と、自国に向けてSNSで情報発信する日本在留外国人をマッチングする仕組みを紹介。在留外国人が宿泊施設に無料で宿泊できる代わりに、魅力を伝える。

 宿泊施設にもたらした売り上げ効果は24億円を超え、県内でも利用施設があるという。齋藤英一代表は「沖縄県全体に、インバンウンドの経済恩恵を公平にいき渡らせたい」と力を込めた。

 琉球コーヒーエナジー(南城市)は99%を輸入に頼るコーヒーを沖縄で年間千トン栽培し、外貨獲得の核とする計画を披露。栽培の省人化と耐候型のハウスで、生産効率を15倍に引き上げるとした。高木伸明代表は「沖縄を活気づける起爆剤として、コーヒーを軸とした産業を創造したい」と強調した。

 この他、紫外線を吸収して発光する素材を使った空間演出や、外国人の各種手続きを簡素化するサービスなどが紹介された。

 OSPは琉球銀行、沖縄タイムス社、沖縄セルラー電話、沖縄電力、日本トランスオーシャン航空、大同火災海上保険、JTB沖縄、琉球放送の計8社が主催。

 琉銀の川上康頭取は「ベンチャーデット(融資)を実行しながら、スタートアップで生まれたビジネスが、さらに拡大していくお手伝いをしたい」とあいさつした。(政経部・大城大輔)

新たな事業をプレゼンテーションしたスタートアップ企業の代表者(1、2列目)と、「オキナワ・スタートアップ・プログラム」を主催する企業の代表者ら=23日、恩納村の沖縄科学技術大学院大学

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