中国のファン、「ドラゴンボールの父」鳥山さんを追悼

中国のファン、「ドラゴンボールの父」鳥山さんを追悼

四川省・成都博物館の「アニメ・漫画原画特別展」で展示された、鳥山明氏原作のアニメ作品「ドラゴンボール」のセル画。(2022年5月15日撮影、成都=新華社配信)

 【新華社広州3月10日】日本の漫画界の巨匠、鳥山明さんの訃報が8日に流れた後、中国の交流サイト(SNS)では多くのネットユーザーが追悼文や写真を投稿し、哀悼の意を表した。

 「鳥山明さん死去」のトピックが短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」の検索ランキングで1位になったほか、「ドラゴンボール」や「Dr.スランプ」と青春時代を共にした多くの人たちから追悼の言葉が寄せられた。

 山東省の「憨憨理想」さんは「自由奔放な想像力、多彩なキャラクター設定、ギャグを多用したストーリー展開。中学時代から2次元(漫画・アニメ・ゲーム)好きの私の中で、鳥山先生の作品は間違いなく上位を占める」とコメント。ゲーム業界でデザインの仕事をしている四川省のKさんは「今の仕事に就いたのは鳥山先生の作品の影響が大きい。先生がアートの道に進む最初のきっかけを与え、導いてくれた。ドラゴンボールは子どもの頃から一番好きな日本の漫画で、私にとって永遠に最高の漫画作品。鳥叔(鳥おじさん)、どうか安らかにおやすみください。先生の偉大な作品は世界中の人々に永遠に感動を与え続けるでしょう」としのんだ。

 中国の著名な俳優ジャッキー・チェンもSNSに、鳥山さんとの2ショット写真を投稿。「鳥山明先生、たくさんの名作を生み出してくれてありがとうございます。作品はこれからもずっと世界と共にあります。安らかに」と哀悼の言葉をつづった。

中国のファン、「ドラゴンボールの父」鳥山さんを追悼

8日、中国のSNSに投稿された「ドラゴンボール」の漫画本コレクション。(広州=新華社配信/王濱旭)

 鳥山さんは生前、ドラゴンボールの戦闘シーンの多くはジャッキーの映画からインスピレーションを得たと語っており、ジャッキーも自身の映画で鳥山さんが生み出したキャラクター「アラレちゃん」に扮してアクションしたことがある。2人は互いに影響を受け合っていた。

 中国外交部も8日、鳥山さんの死去に深い哀悼の意を表した。毛寧(もう・ねい)報道官は「鳥山氏は著名な漫画家であり、作品は中国でも大変人気が高い。多くの中国のネットユーザーが鳥山氏の死去に対して哀悼の意を表している。われわれは日本の多くの有識者が中日の文化交流と両国の友好事業に積極的に身を投じることを信じ、期待する」と述べた。

 広東省アニメ・漫画芸術家協会主席の漫画家、金城(きん・じょう)さんは訃報に接した瞬間、驚きと悲しみ、残念な気持ちでいっぱいになったと話した。「鳥山先生は世界クラスの漫画家。ドラゴンボールと言えば、中国で知らない人はいない。私は昨年、鳥山先生には残りの人生の幸せを自分だけのものにしてほしいと書いた文章を寄稿したばかり。それからわずか半年で亡くなるとは。天国に旅立った鳥山先生、先生が残してくれた宝物は決して忘れません」と感謝と敬意を表した。(記者/鄧瑞璇)

© 新華社