非識字者から華麗な変身 おばあちゃん作家「130歳まで生きる」

非識字者から華麗な変身 おばあちゃん作家「130歳まで生きる」

5日、黒竜江省綏化市北林区の自宅で、出版した6冊を見せる姜淑梅さん。(ハルビン=新華社記者/謝剣飛)

 【新華社ハルビン3月11日】中国黒竜江省綏化(すいか)市北林区に住む姜淑梅(きょう・しゅくばい)さん(87)は、60歳で文字を覚え、75歳で文章創作を始め、80歳で絵画を学んだ。これまでに書いた文書は60万字余り、描いた絵は300枚以上、出版した書籍6冊。老後の生活の中で、読み書きのできない状態から作家へと華麗な変身を遂げた。

 1937年に山東省菏沢(かたく)市巨野県で生まれた。96年に夫を自動車事故で亡くすと、娘の張愛玲(ちょう・あいれい)さんが母の悲しみを和らげるためにと文字を教えた。2012年には娘の励ましと手助けのもとで文章の創作も始めた。

非識字者から華麗な変身 おばあちゃん作家「130歳まで生きる」

黒竜江省ハルビン市で開かれた5冊目の作品「拍手為歌(仮訳:手拍子の歌)」の出版記念イベントで読者にサインをする姜淑梅さん。(2019年11月2日撮影、ハルビン=新華社記者/謝剣飛)

 姜さんの作品は、必ずしも平たんではなかった自身の経験が元になっており、長い歳月が彼女の筆により人の心を動かす一つ一つの物語としてつづられている。最初の習作を同じく作家として活動する愛玲さんがブログに載せたところ、複数の作家仲間から評価され、出版の機会を得た。

 13年4月から作品を雑誌で作品を発表し始め、同年10月に処女作「乱時候、窮時候(仮訳:乱れていた頃、貧しかった頃)」を出版。一躍人気作家となった。15年には中国作家協会にも加入している。

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5日、黒竜江省綏化市北林区の自宅で、姜淑梅さんの手をマッサージする娘の張愛玲さん。(ハルビン=新華社記者/謝剣飛)

 「始めたのが遅かったことは気にしてないが、寿命は気になる。怠けるわけにはいかない」。執筆活動の合間に絵画や書道も学び始めた。「四つの『家』、作家と画家、書道家、老人家(中国で老人に対する敬称)になる」と大風呂敷も広げるだけ広げる。

 創作を続け、体を鍛え、健康な食事にも気を配り、規則的で充実した仕事と生活の習慣を保っている。姜さんは「130歳まで生きてみせる」と語った。(記者/謝剣飛)

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 5日、黒竜江省綏化市北林区の自宅で、原稿を確認する姜淑梅さん(奥)と娘の張愛玲さん。(ハルビン=新華社記者/謝剣飛)

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 黒竜江省綏化市北林区の自宅で、深夜に筆を取る姜淑梅さん。(2019年9月24日撮影、ハルビン=新華社記者/謝剣飛)

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 5日、黒竜江省綏化市北林区の自宅で、原稿を確認する姜淑梅さん(右)と娘の張愛玲さん。(ハルビン=新華社記者/謝剣飛)

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6日、姜淑梅さんの絵画作品。(組み合わせ写真、ハルビン=新華社記者/謝剣飛)

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中国中央テレビ(CCTV)の番組で、自身を語る姜淑梅さん(中央)。(資料写真、ハルビン=新華社配信)

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広東省で開かれたワークショップで、国内外の作家と交流する姜淑梅さん(中央)。(資料写真、ハルビン=新華社配信)

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故郷の山東省菏沢市巨野県で、町の人たちの話を聞く姜淑梅さん(右から2人目)。他人の身の上話も創作の材料になるという。(資料写真、ハルビン=新華社配信)

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3冊目の作品「長脖子女人(仮訳:長い首の女)」が国内の優れた作品を表彰する「華文好書」の審査委員会特別賞に選ばれ、北京市で開かれた表彰式に出席した姜淑梅さん。(資料写真、ハルビン=新華社配信)

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