思い出胸に文鎮磨き 大原小卒業記念 鉄作り締めくくる【一関】

卒業記念品の文鎮を紙やすりなどで磨いて仕上げる大原小の6年生

 古くから地域に伝わる製鉄文化の学習に取り組んでいる一関市大東町の大原小学校(佐藤啓校長、児童98人)の6年生は13日、たたら製鉄体験で取り出した鉄から作った文鎮の仕上げ作業を行った。1年間の学習の締めくくりで、卒業記念品の文鎮に磨きを掛け、鉄作りの思い出を胸に刻んだ。

 鉄作りの学習はたたら製鉄などの伝承に取り組む地元のボランティア団体「ホッパの会」の指導で旧内野小学校時代の1999年から続けており、2023年度で25回目。同会の会員や中学生がたたら製鉄に使う炉作りなどを行い、6年生は昨年8月に大原の砂鉄川で鉄の原料にする砂鉄を採取。9月には砂鉄川最上流部にある砂鉄川たたら製鉄学習館でメインのたたら製鉄を体験し、二つの炉から14キロの鉄を取り出した。

 採取した鉄は奥州市水沢にある及源鋳造の協力を得て炉で溶かし、鋳型に流し込んで縦約6・5センチ、横約5センチの文鎮に成形した。

 同日はホッパの会の佐々木英一副会長と勝部欣一事務局長が大原小を訪問。6年生24人が一人一人「大原」「絆」の文字と同校の校章、卒業式がある「2024・3・19」の文字が入った文鎮に工具や紙やすりなどで磨きを掛けた。

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