玉城デニー知事、全国メディアに「報道を強くお願いしたい」 米軍オスプレイの飛行再開 「皆さんの熱い思いが絶対に必要だ」

 米軍オスプレイの飛行再開から一夜明けた15日の定例会見で、玉城デニー知事が全国メディアに対し、飛行再開を巡る問題の報道を「強くお願いしたい」と申し入れる場面があった。

 米軍は鹿児島県屋久島沖での事故原因を究明したとしながら、詳細は明かさず、地元の反発を無視する形で初日から延べ13機を飛ばした。一方で、日本政府は一連の判断を追認。玉城知事は基地問題を巡る日米の構造的な問題を憂いつつ、「日米同盟は米国と沖縄だけの関係を指すものではない」と訴えた。

 共同通信が「日本国民全体の問題でもある」と問題提起した上で知事に見解を問うと、玉城知事は「全国メディアには、この沖縄の状況をしっかり伝えていただきたい」と要求。「県民の怒り、思いを全国で共有するためには、みなさんの熱い思いと協力が絶対に必要だ」と語気を強めた。

 玉城知事は今後、オスプレイの県内配備撤回を米軍や日米両政府に改めて強く求める考え。具体的なプランを問われると「決まったことはない」としたが、「憤っている気持ちに変わりがないことは伝えておきたい」と、怒りが収まらない様子だった。(政経部・山城響)

(資料写真)オスプレイ飛行再開を受け、記者からの質問に答える玉城デニー知事=13日、沖縄県庁

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