デンマーク発のハイパーカー「ゼンヴォ」が日本初上陸! 最新モデル「オーロラ」をお披露目

2024年3月29日、スーパースポーツカーの輸入販売を手がける(株)BINGOは、デンマーク発のハイパーカーブランド「ゼンヴォ(Zenvo)」のローンチイベントを行い、最新モデルの「オーロラ(Aurora)」をアジア初公開した。

オーロラは「トゥール」と「アギール」の2モデル構成

サーキット走行にも対応可能な、オーロラ「アギール」。

以前に当 したことがあるが、ゼンヴォは2007年に創立された、デンマーク発(初でもある)のハイパーカー メーカーだ。これまでST1、TS1といったモデルをハンドメイドで少量生産していたが、今回お披露目されたオーロラは、ゼンヴォとしては初の量産車だ。といっても、100台の限定生産だが。

オーロラとともに来日した、ゼンヴォ社の会長兼CCO(最高コンプライアンス責任者)であるイェンス・スウェルドラップ氏が、車両について解説してくれた。

オーロラは今回お披露目された2モデルをラインナップ。ターコイズブルーのクルマが「トゥール(Tur:デンマーク語で『旅行』の意味)」、赤いクルマが「アギール(Agil:デンマーク語でアジャイル=『機敏な』という意味)」。それぞれ50台、計100台の限定生産だ。トゥールはグランドツーリングカー的なモデルであり、アギールはサーキット走行も可能なモデル。ポルシェ 911でいえば、トゥールはターボS、アギールはGT2 RSに相当するモデルだという。

いずれも、スカンジナビアン デザインにインスパイアされたというボディラインは、まさに卓越したクラフトマンシップの生み出す工芸品のような美しさを誇っている。ボディパネルやシャシはフルカーボン製。

なお、今回の展示車両はいずれもモックアップのプロトタイプのためエンジンは搭載されていないが、実車にはレーシングカーのピストン製造などでお馴染みのマーレー(MAHLE)社とコラボして開発された6.6Lの90度 V12エンジンにクワッドターボを装着。これに電気モーターも組み合わせたハイブリッドで、さらにトゥールは前輪にモーターを2基追加したe-4WDとなる。

オーロラについて説明してくれた、J.スウェルドラップ氏。いずれもドアは前ヒンジで上方に開く。

6.6LのV12クワッドターボ+モーターで1850hp!

マーレー社とコラボして開発された、6.6LのV12クワッドターボエンジン。今回の展示車には搭載されていない。

V12クワッドターボの最高出力は1250hp。電気モーターは1基200hpで、総合のパワースペックではアギールは1450hp/1400Nm、トゥールは1850hp/1700Nmを発生する。しかも、エンジンは9800rpmまで回る超高回転型だ。これに7速AMTを組み合わせ、最高速度はトゥールが450km/h!、アギールが365km/hという超ハイパフォーマンスを発揮する。それでも、電気モーターのみでのEV走行も可能。また、リバース(後退)は電気モーターのみで駆動する。

スウェルドラップ氏によれば、このエンジンは2024年6月には完成し、テスト車の走行が始まる。デリバリーは2025年以降になる予定だ。このゼンヴォ オーロラ、既に米国やドバイ、サウジアラビアなどで公開され、限定100台の半分くらいは受注が入っているらしい。

ちなみに、日本での車両価格は、トゥール/アギールとも259万ユーロ(約4億2000万円!)がベースだという。果たして、日本では何人のミリオネアが、このクルマを所有するのだろうか。

なお、2024年3月31日(日)まで、このゼンヴォ オーロラはBINGO 東京のショールームに展示されている。詳細に関しては、 BINGOのWebサイト を参照して欲しい。(文と写真:篠原 政明)

オーロラ トゥールのコクピット。ハンドル位置は右を選ぶこともできるという。

●全長×全幅×全高:4819×2020×1117mm(4836×2020×1097mm)
●ホイールベース:2800mm
●車両重量:1450kg以下(1300kg以下)
●パワーユニット:90度V12 DOHCクワッドターボ+3モーター(同+1モーター)
●総排気量:6.6L
●エンジン最高出力:1250hp
●モーター最高出力:200hp×3(200hp)
●システム最高出力/最大トルク:1850hp/1700Nm(1450hp/1400Nm)
●トランスミッション:7速AMT
●駆動方式:e-4WD(縦置きミッドシップRWD)
●タイヤサイズ:前265/35R20、後325/30R21

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