異世界でも「備え」が大切 復興教育の絵本「だいじなもの」発刊

県教委が作製した復興教育絵本の第3弾「だいじなもの」。災害への備えの重要性を伝える

 岩手県教委は、いわての復興教育の教材として、未就学児向け絵本の第3弾「だいじなもの」を発行した。テーマは「そなえる」で、2人の子どもが異世界での冒険を通じて水や食料、明かりなど災害への備えの大切さを学ぶ内容。すでに県内の保育施設や図書館に配布され、読み聞かせや読書に活用されている。小学校から本格化する復興教育の円滑な導入と各家庭の防災力強化につなげる。

 絵本はA4判32ページで、4、5歳児が対象。ハードカバーで、子どもが手に取りやすいよう背表紙は華やかな色合いにした。非日常の世界に迷い込んだ主人公の「のんくん」と「みーたん」が、森の守り神「ごんごん」と一緒に冒険に出かけ、暗闇の不安や空腹、寒さなどの困難を助け合って乗り越え、日ごろの備えの大切さを学んでいく。

 今回で復興教育の「いきる かかわる そなえる」の三つの教育的価値を扱った絵本がそろった。県教委の多田拓章産業・復興教育課長は「絵本を通して助け合いの心を育み、いざというときに必要なものを普段から家族や友達と話し合ってほしい」と呼びかける。

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