マイナス金利解除が住宅ローンに与える影響とは?急激な金利上昇はある?

日銀は3月19日の金融政策決定会合で、マイナス金利の解除を発表しました。

これまで住宅ローンの金利はとても低い時代が続いていましたが、マイナス金利が解除されたことにより、住宅ローンの金利が上昇する可能性があります。

この記事では、マイナス金利解除が住宅ローンに与える影響について解説します。

マイナス金利が住宅ローンに与えてきた影響

マイナス金利政策とは、日銀がデフレ対策のために実施していた金融緩和政策のことです。

この政策によって、低金利の状況が続いていました。

金利を下げることで市場にお金を流し、賃金や物価を上げることが目的でした。

マイナス金利政策は、住宅ローン金利にも影響を与えてきました。

日銀が金利を下げていることで、住宅ローンの借入金利もとても低い状態が続いていました。

住宅ローンの借入金利は金融機関によって異なりますが、低いところだと変動金利は0.5%以下で借り入れることも可能でした。

マイナス金利政策は、住宅ローンを組む人にとってはメリットだったといえます。

2023年7月に金融政策の変更があり、長期金利の上限が0.5%から実質1.0%に引き上げられました。

これによって長期金利が上昇し、連動して住宅ローンの固定金利も上昇しました。

マイナス金利が解除されたことにより、今後は住宅ローンの変動金利も上昇する可能性があります。

マイナス金利解除後にどうなる?

マイナス金利の解除は、住宅ローンに影響がありますが、現在住宅ローンを組んでいる人と、これから組む人によって影響は異なります。

現在住宅ローンを組んでいる人

現在、住宅ローンを全期間固定金利で組んでいる人には、マイナス金利解除の影響はありません。

固定金利とは、一定期間金利が固定されている金利のことです。

固定金利は固定3年、固定5年、固定10年、固定35年など、金利を固定しておく期間を選択できます。

そのため金利が固定されている期間中に返済額が変わることはありません。

ただし、固定金利期間終了後に住宅ローン金利が上昇していた場合は、返済額が増加する可能性があるので注意が必要です。

現在、変動金利で住宅ローンを組んでいる人には、マイナス金利解除の影響がある可能性があります。

マイナス金利の解除によって短期金利が上昇し、連動して変動金利も上昇する可能性があるためです。

変動金利が上昇すれば、住宅ローンの支払額が増加することになります。

全国銀行協会の加藤会長は「急速な利上げは想定されず、当面は緩和的な金融環境が継続すると考えられることから、金利の急激な上昇や急速な円高に進む可能性は低く、経済や企業経営への影響は限定的と見込んでいる」と述べました。

今後は、急激な金利上昇はなく、段階的に上昇していくことが予想されます。

そのため、住宅ローンの支払い額が急激に増えることはないでしょう。

これから住宅ローンを組む予定の人

これから住宅を購入し、住宅ローンを組む予定の人にとっては、マイナス金利時代よりも、借入するときの金利が高くなる可能性があります。

2023年は、住宅ローンの固定金利が上昇傾向にありました。

これに続いて変動金利も上昇すれば、マイナス金利時代と比べて利息の負担が大きくなります。

今後金利が上昇していくことに不安を感じる人は、固定金利で組み、住宅ローンの支払総額を決めておきたいと考えるかもしれません。

一方、金利上昇リスクはあるものの、変動金利の方が金利は低いため、変動金利でローンを組みたいと考える人もいるでしょう。

金利タイプの選択は、どちらが正解ということはありません。

住宅ローンを組む前に金利タイプの違いを理解して、しっかりと資金計画を立てることが大切になるでしょう。

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