那須烏山の豚熱、業者と元取締役に罰金の略式命令 宇都宮簡裁 複数の豚突然死、県へ届け出怠る

豚熱が発生した養豚場があった農場=1月19日、那須烏山市

 那須烏山市内の養豚場で2022年7月に発生した豚熱(CSF)で、同年6月に複数の豚が突然死したのに県への届け出を怠ったとして、宇都宮簡裁は17日までに、家畜伝染病予防法違反罪で略式起訴された同養豚場を経営していた畜産大手「神明(しんめい)畜産」(東京都東久留米市)に罰金100万円、同養豚場の元取締役で現場管理者だった男性(47)に罰金50万円の略式命令を出した。11日付。

 起訴状などは、22年6月8~14日の間、同養豚場で計734頭の豚が突然死んだのに、速やかに県へ届け出なかった、としている。

 県によると、同年7月、県に匿名の情報提供があった。県は翌22日に立ち入り検査し、23日に感染を確認。同社は発覚当初、県に「熱中症の疑いがあった」などと説明したとされ、養豚場では計5万6298頭が殺処分された。

 県は23年4月、同法違反容疑で同社などを刑事告発。県警は24年1月、同法違反容疑で同社と元取締役を書類送検した。宇都宮区検は同年3月29日、同罪で略式起訴していた。

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