大田原市出身のジュエリー・デザイナー桜井(さくらい)みどりさんの個展が26日まで、鹿沼市天神町のギャラリータラッサモモで開かれている。額縁の古典的技法をジュエリーに応用、木をベースにしたぬくもりを感じさせるブローチやイヤリングなど約150点が並んでいる。
「春なので花をテーマに明るい作品を集めた」と桜井さん。彫り上げた木の土台に、膠(にかわ)や石膏(せっこう)などを塗り重ね、純金銀の箔(はく)を貼る「古典額縁技法」は、軽さと華やかさを両立させる。
繊維が細く絡まり合っている菩提(ぼだい)樹をメインに、あしらわれた箔や半貴石、パール。身近な自然素材と工芸的手法から生まれる作品は、オーガニックジュエリーとして人気が高い。国内外で個展を開き、那須にアトリエとカフェギャラリーを持つ。
20代のころ、バチカンで見た古典絵画の額縁にひかれた。その製作技法を基に、宝飾用の道具を手作りするなど独自の世界を開拓。「貴金属と違い、木には重さや価格の制約が少ない。材質や下地の作り方を変えたり木目を生かしたり、これからもさまざまな表情を作り出したい」と話す。
女子美術短期大卒。1983年からジュエリー・デザイナーとして活躍、93年欧州の古典額縁製作技法によるジュエリー「BOSCO」を発表。