【広島】エース左腕・床田寛樹が狙う「プロ初本塁打」 理想は青木宣親と小笠原道大氏

広島のエース・床田寛樹の目標は「プロ初アーチ」

広島は23日のヤクルト戦(神宮)に2―0で快勝。引き分けを挟んだ連勝を4に伸ばし、勝率5割に復帰した。

「投」の立役者は、燕打線を相手に8回4安打無失点と好投したエース左腕・床田寛樹投手(29)だ。宝刀のツーシーム、カットボールを内外角に投げ分け、二塁を踏ませたのも初回だけだった。今季最多の116球を投じた床田は「長いイニングを投げることに関しては、いい感じできている。これを長く続けていきたい」と2勝目を満足げに振り返った。

そんな左腕は打撃でも〝ノルマ〟を課している。それが「1本は打ちたい」と意気込むプロ初本塁打だ。ここまでの4試合でも走者がいない場面で打席が回って来た場合は「全球、狙ってます(笑い)」と色気を隠さない。今季の本拠地・マツダスタジアムの試合では打者顔負けの演出も…。登場時にビジョンで放映される紹介映像には本業の投手だけでなく、打席時用にフルスイングをする「打撃バージョン」をわざわざ流すほど〝今年こそ〟の思いは強い。

打撃は大学時代から「好き」というが、理想とする打者もしっかりと存在する。1人はヤクルトの最年長野手でNPBでは唯一、シーズン200安打を2度達成(2005、10年)した青木宣親。そしてもう1人が日本ハムや巨人などの3球団を渡り歩いて2度の首位打者(02、03年)、本塁打&打点の2冠王(06年)に輝くなど「ガッツ」の愛称で親しまれた小笠原道大氏だ。

「めっちゃ好きやったです。青木さんは構えをマネた時期もありましたし、小笠原さんはもう打ち方自体が『いいな~』って。ほぼファン目線ですけど」(床田)

本業ではハイクオリティー・スタート(7回以上、自責2点以下)を4試合連続で決め、防御率0・93と先発の役割を完璧に果たす一方、念願のアーチは未達成。ローテの柱を支えながら、打の目標へも貪欲にチャレンジを続ける。

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