【一覧表つき】公務員のモデル月給はおよそ41万円、ボーナスは年間4.4か月分
国家公務員の給与体系は、名称こそ異なりますが、概ね基本給に当たる俸給と諸手当、そして年二回の賞与で構成されています。
その水準やテーブルは内閣官房内閣人事局で管理しており、さらに同局では年に1回統計資料を公表しています。
GWの長い休み期間を使い、今後のキャリアを考える方も多いのではないでしょうか。選択肢のひとつとなる公務員について、その給与事情を解説します。
後半では、近年でのボーナスの推移も確認しましょう。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
国家公務員の給与構造
課長職前までの国家公務員の給与構造、およびモデル月給は次のとおりです。
「俸給」というのが一般企業の基本給にあたるもので、そのほかにさまざまな手当がつきます。
また、このほかに日々の交通費の補填である「通勤手当」や残業代である「超過勤務手当」が支給されます。
さらに、ボーナスが年2回、6月と12月にわけて支給される仕組みです。
公務員のボーナスは、期末手当と勤勉手当に分かれていて、勤勉手当は人事評価に基づいて支給されます。
二つの手当を半々に分けたものが夏と冬に支給されます。
国家公務員の階層と俸給の推移
先に紹介したのは平均賃金であり、実際には「職務の級」とそのなかの「号俸」によって俸給がわかれています。
職務の級は1~10まであり、数値が大きいほど職階が高く、俸給のレンジも高めに設定されています。
号俸の数は職務の級によって異なりますが、大きな号俸ほど俸給は高くなります。
各職務の級の号俸レンジは、つぎの通りです。
俸給以外の水準については統計がありませんが、こちらも役職によって変化する場合があると想定されます。
基本的には役職が上がるほど着実に給与が上がっていく可能性が高いといえるでしょう。
国家公務員の賞与支給月数の推移
国家公務員の賞与支給額は、月給の何倍が支給されたかで統計が取られています。
令和4年度は年間4.4か月分(期末手当2.4か月分+勤勉手当2か月分)でした。
近年の推移は以下のとおりで、令和元年や2年などは現在より高水準でした。
一方で過去をみてみると、たとえば平成3年度・4年度は5.45か月分に及ぶなど、平成の前半頃まではいまよりも支給月数が多い時期が続きました。
当時と比べれば、近年は公務員の賞与支給月数は減少しているといえるでしょう。
参考までに、長期における支給月数の推移はつぎのグラフのとおりです。
国家公務員のモデル給与例
人事局では、国家公務員の年齢・職階別のモデル給与も公表しています。
順調に出世して本府省課長まで昇りつめれば、年収は1200万円以上までアップする可能性があります。
本府省局長以上になれば月給も100万円を超え、公務員全体の平均よりも大幅に好待遇を受けられます。
令和4年度の月給・ボーナスの改定
物価上昇や、民間企業の賃上げの流れを踏まえて、令和4年度は次のとおり月収・ボーナス共にアップしています。
- 月例給 +0.23%(モデル月給で+921円) ボーナス +0.10月分
- 若年層の初任給を引上げ(大卒+3000円、高卒+4000円)
- ボーナス: 4.30月分→4.40月分(年間0.10月分引上げ)
なお、ボーナス引き上げ分は勤勉手当に配分される仕組みとなっています。
参考資料
- 内閣官房内閣人事局「国家公務員の給与(令和5年版)」