為替介入か

 「お水が高いって聞いたので」と大きなペットボトルを何本もスーツケースに詰めていざ出発。そんな涙ぐましい“お財布防衛策”も紹介されていた。円安ハンパないって…と悲鳴を上げながら、それでも海外へ-の出国風景▲そうまでして出かけなくても、と感じたり、やっぱりうらやましい、と思ってみたり。パスポートは何年も前に切れたまんま-の当方の感想はさておき▲その大型連休のさなか、4月29日に起きた「円の乱高下」は大きなニュースになった。一時は160円台まで下がった円が逆に154円台まで急上昇。政府・日銀が5兆円規模の為替介入に踏み切った可能性が指摘されている▲「介入」は〈問題や事件・紛争などに本来の当事者でない者が強引にかかわること〉。財務省の幹部が「ノーコメント」と真相を明かさずにいるのも、語義に照らせば道理ではあるのだろう。非常手段なのだから▲さて-。円をドルに両替してその少なさを実感する場面はなくても、国際的に見れば、財布の中身やわが家の家計が買い物と無関係に目減りしているのだと考えると、無関心でも穏やかでもいられない。この先、物価への影響も気になる▲昨日から5月。最初の一日はどんより曇り空、風もひんやり冷たく「風薫る」とは言いにくい感じで過ぎた。(智)

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