追悼のろうそく作り始まる 島原半島の小中学校 雲仙・普賢岳大火砕流から33年 長崎 

大火砕流から33年となる6月3日を前に、願いを記したろうそくを作る児童=島原市立大三東小

 長崎県の雲仙・普賢岳噴火災害で43人が犠牲となった1991年6月3日の大火砕流から33年を迎えるのを前に、島原半島の小中学校で追悼のろうそく作りが始まった。4月30日は本年度1校目として島原市有明町の市立大三東(おおみさき)小(稲栄浩保校長、242人)であり、子どもらが防災への願いを込めながら取り組んだ。
 ろうそく作りは地元有志や同記念館などが2007年度に始め18年目。本年度は22校が予定している。ろうそくは雲仙岳災害記念館(同市平成町)で6月3日午後7時から「いのりの灯(ともしび)」としてともされる約2千本の一部として使われる。
 大三東小では、同館の杉本伸一館長(74)が、噴火災害について学ぶ3年生約40人を前に、当時の状況を解説。有明町でも1991年6月30日の土石流で1人がけがしたことを紹介し、「地球の営みを止めることはできないが、過去の災害を知ることで命を守ることができる」と呼びかけた。
 3年生は、牛乳パックに流し込まれたろうを水で冷やして固めてろうそくを作り、クレヨンで普賢岳や虹、花などのイラストを描き、メッセージを記した。
 「もうふん火しませんように」と書いた蒲池慧照(かまちけいしょう)さん(8)は「祖父母から(大三東地区でも)大火砕流の煙が見えたことや、今も(安中地区で)3人が行方不明だと聞いた。もう悲しい思いをする人がいないように」と話した。

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