道路舗装に廃食油使用 大村でプロジェクト開始 佐賀・田中鉃工

プロジェクトを発表した末吉社長(前列左から2人目)ら=大村市幸町、パークベルズ大村

 アスファルトプラントメーカー、田中鉃工(佐賀県基山町)が、家庭などからの廃食油を重油の代替燃料としてアスファルト合材の製造に使用し、道路舗装など地域で循環させる取り組みを大村市で始めた。「Roa(d)cal SDGs Project(ロードカル エスディージーズ プロジェクト)」と命名し、同市や廃食油を店頭で回収するスーパー、道路舗装業者などが参画。大村での取り組みをモデルに全国展開を目指す。
 同社によると、家庭系廃食油の約96%は活用されないまま廃棄されている。道路舗装業界で初の試みという同プロジェクトを進めることで、二酸化炭素(CO2)削減など地球環境への貢献につなげる。
 プロジェクトは1月に始まり、廃食油をスーパーや生協に設置した専用ボックスで回収。アスファルト製造に使用し、資源を地域で循環させる。既に市内の道路に使われているという。プロジェクト名は「ロード(道)」と「ローカル(地域)」をかけた造語。
 26日、市内で同社の末吉文晴社長らが出席したプロジェクト発表の会見があり、担当者は「地球環境の改善につながる」と期待。広報などで支援する同市の園田裕史市長は「さまざまな波及効果を生み出すプロジェクト。しっかり成功させたい」と述べた。

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