ヴェルカスタイル体現 全試合出場のボンズ B1長崎

チームで唯一全試合に出場したボンズ。得点源としてチームをけん引した=島津アリーナ京都

 ハードに、アグレッシブに、スピーディーに-。チームが掲げるヴェルカスタイルを体現し続けた。チームで唯一、全試合出場を果たしたマット・ボンズは、この日も出場時間39分で27得点10リバウンドのダブルダブルの活躍。ヴェルカの攻撃の要は「チームが積み上げてきたものを形に出せてすごく良かった」と充実した表情を見せた。
 身長196センチは2メートル超の他の外国人選手と比べると小柄。同僚のブラントリーのようにプレーが派手でもない。だが、感情を表に出さず、泥くさく、チームのために汗を流せる。誰よりも“日本向き”な好選手だ。コンディションの浮き沈みも小さく、1試合の平均得点はチームトップの16点。51試合で2桁得点をマークしながら「自分の得点が高いのは、みんながそれぞれの役割を果たしてくれるから」と謙虚さも忘れない。
 B1初年度の今季は「苦しく、長いシーズンだった」。B3、B2と負けることが少なかったヴェルカ。中盤戦は白星を伸ばせず、主力としての責任感から「自分のプレーに悩み、自信を失いかけることもあった」。それでも「瞬間を集中して戦うこと、どれだけ疲れていようが、その瞬間を戦いきることが勝ちにつながると学んだ」。苦しさを力に変え、成長を続けた。終盤になるにつれて、そのプレーはますます輝きを放った。
 ヴェルカ創設時からチームを支えて3年。前田監督も「彼の頑張りがチームの勝利につながっている」と信頼を置く選手になれた。「ヴェルカスタイルはB1でも通用する。今後は相手がどう対策しているのか理解できるようになれば、チームとしてもっと高いレベルでプレーできる」。ヴェルカの得点源はすでに来季を見据えている。

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