NYタイムズ「行くべき」効果で観光客91万5000人増 山口市24年試算、訪日客は2倍以上に

山口大キャンパス

 米紙ニューヨーク・タイムズの「2024年に行くべき52カ所」の3番目に選ばれた山口市を巡り、24年の観光客は同紙の影響で23年より約91万5千人増の約484万7千人となるとの試算を山口大経済学部の加藤真也准教授(観光経済学)の研究室がまとめた。訪日外国人は2倍以上に増えると予測。市の観光客が山口県全体にもたらす経済効果は89億9200万円と算出している。

 加藤准教授と学生が23年の宿泊旅行統計を基に同市の観光施設の24年1~3月の動向や旅行者への消費アンケートなどで推計した。同市の24年の観光客数は、同紙の影響で23年より91万4892人増え、484万7010人になると推定。うち訪日外国人は5万5635人増の10万7551人と見込んだ。外国人は、多言語マップの用意などの環境整備でさらに増加する可能性があるとしている。

 また、市の観光客による県全体への経済効果の内訳は、日本人宿泊客が40億8900万円、日本人日帰り旅行客が31億1600万円、訪日外国人客が17億8700万円と試算。全体額は維新みらいふスタジアム(同市維新公園)の建設費81億5千万円に匹敵すると説明した。加藤准教授は「外国人対応を進めるなど魅力を磨くことで、観光客増加の維持や定住人口拡大にもつながるのではないか」と提起している。

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