核のごみ文献調査 受け入れに転じた玄海町長の説明 理由の柱に「大臣から言質」

原発から出る高レベル放射性廃棄物いわゆる「核のごみ」について、佐賀県玄海町の脇山町長が最終処分場の第1段階となる「文献調査」に応募することを明らかにしました。

最終処分について脇山町長は、これまで議会などで「玄海町は面積が小さく平地も少ない。科学的特性マップ上もシルバー(好ましくない地域)である」ことなどを理由に、国からの調査申し入れを受け入れるという考えはないと説明してきました。今回受け入れ表明に転じたのはなぜでしょうか。

受け入れに転じた2つの理由

10日午前11時半から会見に臨んだ玄海町の脇山伸太郎町長。受け入れを決めた理由について、議会の決定と、受け入れ要請に訪れた経済産業大臣から言われた言葉をあげました。

玄海町 脇山伸太郎 町長
「町内の団体から町議会に対し、文献調査に関する請願が提出され、議論の上で賛成多数で請願が採択されました。その中で町民や各団体、町議会議員の皆様から様々な貴重なご意見をいただいたことを重く受け止めています。特に住民の代表が集う町議会で請願が採択されたことは、大変重いと考えています。そして、経済産業大臣から『文献調査がそのまま最終処分場に直結するわけではない』と話がありました。大臣から言質を直接いただいたので、なし崩し的に最終処分地になることはないと考えています。住民の皆さんも本当に不安に思われる方もいらっしゃるかと思いますが、そういったところで決めました。」

「交付金目的ではない」

文献調査は約2年かけて火山や活断層のデータなどを調べるもので、調査を受け入れた自治体には国から最大20億円が交付されます。脇山町長は会見で、交付金目的ではないと説明しています。

玄海町 脇山伸太郎 町長「交付金目的ではないということを皆さん知っていただければありがたいと思っております。日本のどこかに最終処分場の適地が見つかるための呼び水となったらありがたいと思っています」

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