「100万円貯蓄」できる人とできない人、違いって?

多くの家計相談を受けていると、貯蓄ができる人とできない人とでは、ある特徴があることに気付きます。その中でも代表的な特徴をお伝えします

多くの家計相談を受ける中で、「貯蓄ができない」という相談を受けることが多々あります。反対にとてもよい金銭感覚を持っていてしっかり貯蓄し、資産形成している方ともよく話をします。貯蓄ができない人とできる人、それぞれどんな特徴をもっているのか? 家計やお金との付き合い方などについてお伝えします。

貯蓄ができない人の特徴

貯蓄ができない人は次のような特徴があります。

特徴1:物が多い

ご自宅にお邪魔すると、物の多さに驚きます。健康器具をはじめに、OA機器や楽器類、通販で売られているような「あると便利」な家電や調理器具が部屋のあちらこちらにあります。

車も、自家用車以外に軽トラやバイクと、持っているだけで税金がかかるものを保有しているのが特徴です。このタイプは保有することに執着しますので、捨てられない・手離せないというタイプでもあります。

これだけのものを買っていたら貯蓄ができなくても当然だとすぐにわかります。

特徴2:家が立派で住宅ローンの負担が大きい

一生に一度の買い物だからと、身の丈以上の住宅を持ってしまい、住宅ローンの返済に追われて貯蓄ができないタイプです。住まいは大事ですが、教育費や老後資金などの貯蓄と並行してできる返済プランにしておかないと、結果的に更に借金を増やしてしまい、自転車操業の家計となってしまいます。

特徴3:収入が低い

節約だけでは限界があります。特に子どもがいる場合、成長と共に支出は増えますので、どんなに節約しても追いつかないのが現実です。収入が低いために、いつもギリギリの生活で貯蓄ができないという家庭は、年収が300万円台以下やシングルマザーの家庭でよく見られます。

特徴4:収入と支出のバランスが悪く、生活のレベルを下げられない

例えば、年収が300万円なのに400万円もする車を保有する、ブランド物に身を包む、子どもを私立に進学させる、というような、主に「見栄を張り収支」でバランスが悪くなっているケースです。

今の時代、収入があまり増えないのに支出面では住宅ローンや教育費等で増えていく一方です。従って生活のレベルは必然と下げていかなくては収支が合わなくなります。しかし、見栄を張って、なかなか生活のレベルを落とすことができない人は、結果的にお金に苦労することになります。

特徴5:先のことを考えずになんとかなると思っている

アリとキリギリスのお話のキリギリスのように、先のことを考えずに今の欲望や楽しみを優先してお金を使うので、あるだけ使ってしまいます。

生涯、独身で実家暮らしならそれもいいですが、家族や子どもを養い、住宅ローンの返済があるのなら、長期のライフプランに沿ったマネープランを立てて行かなければ、家族や家を守ることはできません。

特徴6:子どもと自分に甘く、家族関係や親子関係があまりよくない

子どもがいる家庭では「可愛い子どものために」とお金を使い過ぎるケースもよく見られます。将来の教育費の貯蓄もしないままで子どもの望む物を与えていては、教育費が必要な時に本人が困ります。比較的、子どもに甘い親は自分にも甘いので、家計全般、お金に対する姿勢もだらしないのが特徴です。また、家族関係や親子関係が悪いとお互いを信用できないため、困った時に助け合うことができず、逆に相続時などの見苦しい争いになりがちです。

特徴7:ギャンブルや宝くじでお金を得ようとする

ギャンブルや宝くじは「負ける戦」であって、運よくお金を手にしたとしても、すぐに更なる資金投入でお金を失います。つまり、ギャンブルや宝くじで得たお金は手元に残らないので貯蓄できません。それらにお金を使うのなら貯蓄でお金を育てたうえで、レジャーとして付き合うべきです。

番外編

上記にあてはまらない高収入なのに貯蓄ができない人は、普段のお金に困らないため、何にいくら使っているのか把握していない、または収入が上がる度に生活のレベルを上げて、結果的に貯蓄はできない、というのが主な原因になります。

貯蓄がしっかりできる人の特徴

一方で、貯蓄がしっかりできる人は次のような特徴があります。

特徴1:先取りで貯める仕組みをたくさん持っている

定期積立、財形貯蓄(勤務先が制度を導入していれば)、学資保険、個人年金、投資信託、貯金箱等で、毎月しっかりと先取りで貯蓄しています。たくさん貯める場所があるので、急な支出でも家計が困ることはありません。

特徴2:収入を上げる努力を惜しまない

仕事での収入アップや、副業などを行うなど、収入を増やす努力を惜しみません。自己投資や経験を積むことに時間とお金を使っています。

特徴3:意外と普段の生活は質素

基本的に毎日の生活に関わる支出は質素で、お金があるないに関わらず、生活のレベルは低いのが大きな特徴です。だからといってケチではなく、投資・消費・浪費の見極めがつき、メリハリのあるお金の使い方をしています。

特徴4:将来を見据えている

将来を見据え、長期のライフプランをもとにマネープランを立てるため、最悪の想定もしたうえで、豊かなビジョンを描いて生きています。

特徴5:夫婦仲が良く、家族や両親を大切にしている

夫婦仲が良い家庭は夫婦で資産形成と向き合い、お互いを信頼してお金を管理しています。また、子どもだけに優しいのではなく、お互いの両親も大切にしています。家族仲が良いので困った時には家族の中でお金を回すことも可能です。

特徴6:寄付の習慣がある

お金を貯めることができる人は、できる範囲で誰かのためにお金を使っています。お金はきれいに流せば友達を連れて戻ってくることを知っていますので、貯蓄と寄付をセットで習慣にしているんですね。

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思い当たることがありましたか? 普段のお金の使い方や考え方を少しずつ変化させてみるだけでも、必ず貯まり始めますよ!

(文:二宮 清子(マネーガイド))

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